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国内ミステリー

【感想】あの作品の番外編が読める!「図書室の海」

2022年11月5日

toshoshitsu-no-umi

恩田陸さんの「図書室の海」は、全10作の短編集です。

そのなかには、

  • 六番目の小夜子
  • 夜のピクニック
  • 麦の海に沈む果実

の番外編が入っています。

これらの作品が好きな人なら、楽しめる1冊です。

もちろん、読んだことがない人も楽しく読める作品です。

ここからは、「図書室の海」に収録されている作品のあらすじや感想を紹介します。

「図書室の海」の各作品のあらすじ

「図書室の海」に収録されているのは、次の10作品。

  1. 春よ、こい
  2. 茶色の小壜
  3. イサオ・オサリヴァンを捜して
  4. 睡蓮
  5. ある映画の記憶
  6. ピクニックの準備
  7. 国境の南
  8. オデュッセイア
  9. 図書室の海
  10. ノスタルジア

次からは、各作品のあらすじを簡単に紹介します。

① 春よ、こい

ふたりの女子高生と、時間にまつわるお話。

恩田陸さんの「ライオンハート」が好きな人にピッタリです。

ライオンハート

時空を超えてめぐりあう男女のお話。さっぱりしたラブストーリーなので、恋愛小説が苦手な人もおすすめ。

② 茶色の小壜

経理課で働く、しっかり者の女性。

彼女の奇妙な表情を見てしまった主人公は、彼女の知り合いに話を聞いていく、というお話。

話を聞くうちに、イヤ~な予感がじわじわ湧き上がってくるダーク・ミステリーです。

③ イサオ・オサリヴァンを捜して

不思議な雰囲気を持つ兵士、「イサオ・オサリヴァン」を捜すお話。

いっしょに過ごした兵士たちに話を聞きながら、彼の行方を捜します。

④ 睡蓮

「麦の海に沈む果実」の主役、水野理瀬が幼いころの物語。

エピソードゼロ、という感じの話です。

「麦の海に沈む果実」のあとに読むと、ニヤニヤしちゃいますよ。

⑤ ある映画の記憶

ある映画のシーンが、記憶に残り続けるのはなぜ?

叔父の死をきっかけに、その理由を探す、というお話です。

⑥ ピクニックの準備

「夜のピクニック」の前日のお話。

予告編として書いた、ということもあり、設定が変わっているところがあります。

「夜のピクニック」の裏側を知れる、楽しい作品です。

⑦ 国境の南

昔通っていた喫茶店の跡地にできた、新しい喫茶店。

そこでコーヒーを飲みながら、当時のことを振り返る、という作品です。

最後のシーンは、ゾクッとさせられます

⑧ オデュッセイア

ココロコという、自分の意志で動く都市のお話。

時代や人の移り変わりを感じる作品です。

⑨ 図書室の海

「六番目の小夜子」の番外編です。

「六番目の小夜子」を読んでなくても、楽しめる作品です。

私も未読ですが、面白く読めました!

続きが気になった人は、「六番目の小夜子」も読んでみてください。

⑩ ノスタルジア

懐かしいと感じる記憶を、数人が順番に話していく、というお話。

時間がごちゃごちゃになっていて、本当に「人の記憶」を見ている気分になります。

「図書室の海」で特にお気に入りの2作品

「図書室の海」で特にお気に入りなのは、次の2作品。

  • 茶色の小壜
  • 国境の南

この2作品が好きな理由。

それは「ダーク・ミステリー」だから。

上記の2作品は、探偵が「犯人はお前だ!」と華麗に謎を解くミステリーではありません。

「あれ?もしかしたら、この人…。うわ、そうなの?こわい…」

とじわじわと胸にくるミステリーなんです。

ダーク・ミステリーが好きな人は、絶対楽しめるはず。

短編でサクッと読めるので、とても贅沢な作品です。

まとめ

この記事では「図書室の海」について紹介しました。

好きな作品の番外編だけ読むのもアリ。

待ち時間に少しずつ読むのもアリ。

作品ごとのつながりはないので、気になる作品から読んでみてください。

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