「ホテル・ネヴァーシンク」は、ホテルに関わった人たちが、代わるがわる語っていくミステリーです。
ミステリー要素は少ないですが、一族の物語が好きな人は楽しめる作品です。
ここからは、「ホテル・ネヴァーシンク」のあらすじと魅力を紹介します。
「ホテル・ネヴァーシンク」のあらすじ
93もの部屋がある「ホテル・ネヴァーシンク」。
繁盛していたそのホテルで、子どもたちが行方不明になる事件が発生。
お客は減り、売上が一気に下がってしまいます。
ホテルに関わった人々が次々に語るうちに、ホテルの持つ闇が見えてくるミステリーです。
「ホテル・ネヴァーシンク」の魅力
「ホテル・ネヴァーシンク」の魅力は、次の2つ。
- ホテルが建ち、栄え、滅びるまでの物語
- 章が変わるたびに、語り手と時代が変わる
ひとつずつ紹介しますね。
① ホテルが建ち、栄え、滅びるまでの物語
「ホテル・ネヴァーシンク」の魅力は、ホテルの生涯が描かれているところ。
いちおう、ミステリー要素として、子どもたちの行方不明事件が起こります。けれど、それはおまけ。
経営が娘に、さらに孫へと引き継がれるホテル。事件が起こったことで、ホテルはどう変わっていったのか。どんな最後になるのか。
その様子が、いろんな角度から描かれているのが、大きな魅力です。
② 章が変わるたびに、語り手と時代が変わる
語り手と時代が次々に変わるのも「ホテル・ネヴァーシンク」の魅力のひとつ。
語り手は、ホテルの経営者・従業員・客など、さまざま。
いろんな人が次々に語っていくので、最後まで飽きません。
全員ではないけれど、語り手が再登場するのも面白いポイント。
「数年経って、こんな風になったんだ~」と、親せきにでもなった気持ちになります。
語り手も時代も変わっていくので、変化を楽しめるのが魅力です。
「ホテル・ネヴァーシンク」をこれから読む人へ
ミステリーではありますが、ミステリー要素はかなり少ない「ホテル・ネヴァーシンク」。
ミステリーより、ホテルの生涯が描かれたダークな物語、といった印象が強い作品です。
一族の物語や、語り手が次々に変わる小説が好きな人は、楽しめるはずです。