今回紹介するのは、ジュンパ・ラヒリさんの「停電の夜に」。
「停電の夜に」は、デビュー作にもかかわらず、ピューリッツァー賞を受賞した作品です。
この記事では、「停電の夜に」のあらすじとオススメポイントをネタバレなしで紹介します。
「停電の夜に」について
タイトル | 停電の夜に |
作者 | ジュンパ・ラヒリ |
訳者 | 小川 高義 |
出版社 | 新潮文庫 |
ページ数 | 327ページ |
発売日 | 2003年2月28日 |
9つの作品が収録された短編集です。
「停電の夜に」のあらすじ
以下「停電の夜に」のあらすじです。
ある夫婦のもとに、工事のため数日のあいだ、夜1時間停電すると通知が届く。
夫婦は、停電のになるとロウソクを灯し、ささいな秘密を打ち明けあう…(停電の夜に)
インドに観光に訪れた家族を案内するタクシー運転手。
楽しく案内していたが、いきなり家族の秘密を打ち明けられてしまう…(病気の通訳)
夫婦、家族など近い関係間での衝突や心の揺れを感じる、短編集。
「停電の夜に」のオススメポイント
「停電の夜に」のオススメポイントは2つ。
- 近い関係だからこそ起こる衝突に共感
- 誰もが持つ残酷さにギクリ
近い関係だからこそ起こる衝突に共感
「停電の夜に」のオススメポイントは、近い関係だからこそ起こる衝突に共感できる点。
「停電の夜に」に収録されている作品は、どれも近い関係で起こる衝突をテーマにしています。
夫婦、家族といった関係は、近いからこそぶつかって、近いからこそ言えなかったりしますよね。
「停電の夜に」で描かれているのは、そんな近しい関係の衝突や言えないモヤモヤ。
「うわ~その気持ちわかる!」
「実際にはやらないけど、気持ちはわからなくもない」
共感して何度もうなずいてしまうポイントが盛りだくさんです。
誰もが持つ残酷さにギクリ
誰もが持つ残酷さにギクリとしちゃう点も「停電の夜に」のオススメポイント。
「停電の夜に」は、意識・無意識関係なく、人が持つ残酷さが描かれています。
正しさを求められる現代ですが、100%正しい人なんていません。
誰しも気づかないうちに、相手に残酷な行動をとっているかもしれません。
「げ、これ自分もやっちゃってるかも…」とギクリとなるシーンが「停電の夜に」はちりばめられています。
あまり暴かれたくない、自分の黒い一面に気づいちゃう本です。