森博嗣さんの「χの悲劇」は、Gシリーズ最大の衝撃作です。
さらに、これまで森博嗣さんの作品を読んでいる人なら、嬉しくて思わずニヤけちゃう要素がたくさんあります。
この記事では「χの悲劇」の魅力を「ネタバレなし」で紹介します。
「χの悲劇」を読もうかどうか迷っている人は、ぜひ参考にしてみてください。
「χの悲劇」について
タイトル | χ(カイ)の悲劇 |
作者 | 森 博嗣 |
出版社 | 講談社文庫 |
ページ数 | 352ページ |
発売日 | 2019年5月15日 |
以下、「χの悲劇」のあらすじです。
あの夏、真賀田研究所でプログラマとして働いていた島田文子は、いくつかの職を経て、香港を拠点とする会社に籍を置いていた。人工知能に関するエキシビションの初日、島田は遠田長通という男に以前、愛知で起きた飛行機事故に関する質問をされる。トラムという動く密室で起きる殺人。その背後に感じられる陰謀。静かだった島田の生活が、その日を機に大きく動き始める。
引用元:森 博嗣(2016年)『χの悲劇』講談社
「χの悲劇」の魅力
「χの悲劇」の魅力は以下の2つ。
- Gシリーズ最大の衝撃を味わえる
- 島田文子の魅力がたっぷり
ひとつずつ解説しますね。
Gシリーズ最大の衝撃を味わえる
「χの悲劇」の魅力は、なんといっても「Gシリーズ最大の衝撃を味わえる」ことです。
読み終わったら「ここまで読んできてよかった!」と思えるはず。
あらすじにあるように、真賀田四季や、西之園萌絵の両親が亡くなった飛行機事故にまつわる話が語られます。
これまであまり語られることのなかった、飛行機事故。その話があるだけでも必見ですが、衝撃はまだ続きます。
これまでのシリーズで登場してきた人たちについても、明かされてこなかったエピソードが盛りだくさんなんです。
「あの人の名前がここで出てくるとは…」と、衝撃と喜びを感じました。
「χの悲劇」では、殺人事件は単なるきっかけにすぎません。殺人事件の真相も解明されますが、オマケです。
森博嗣さんの作品を読んできた人ほど、楽しめるのが「χの悲劇」の大きな魅力です。
島田文子の魅力がたっぷり
島田文子の魅力を存分に味わえるのも、「χの悲劇」の魅力のひとつ。
「χの悲劇」は、島田文子の視点で物語が語られるので、今までで一番長く島田文子が登場する作品となっています。
「すべてがFになる」から、いくつかの作品に登場してきた、島田文子。彼女のことを「面白い人だな~」と思った人も多いはず。
「χの悲劇」を読むと、島田文子の面白さや魅力をたっぷりと味わうことができます。
島田文子は、思っていた以上に魅力的で、天才でした。
島田文子が好きになるシーン
ネタバレにならない範囲で、「この人好きだな~」と思えたエピソードを紹介します。
「なにか、必要なものがありますか?」
「チキンナゲットとカフェラテ」島田は即答した。「ポテトチップスも」
「わかりました。すぐに用意します」フォックスは笑わなかった。「ほかには?」
「一人にさせて下さい」引用元:森博嗣(2016年)『χの悲劇』講談社(123ページ)
これは、ある仕事を依頼された島田文子が、仕事をはじめる前に依頼主と交わした会話のシーンです。
思いっきりジャンクフードですね…しかも即答。
「いいな~。面白いな、この人」と笑ってしまいました。
「χの悲劇」には、これ以外にも島田文子の魅力を感じられるエピソードがいっぱいです。
笑えるエピソードもあれば、しんみりさせるエピソードもあります。
島田文子の今後をほのめかす、最後の章も必見です。
まとめ
この記事では「χの悲劇」の魅力を紹介しました。
森博嗣さんのシリーズを最初から読んできた人なら、絶対に楽しめる本です。
気になったら、ぜひ読んでみてください。