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国内ミステリー

「切れない糸」はホッと一息つける、あたたかいミステリー

2022年9月28日

kirenai-ito

坂木司さんの「切れない糸」は、あたたかい気持ちになるミステリーです。

人が死なないミステリーなので、「殺人事件が起こる話は苦手…」という人にもおすすめです。

この記事では「切れない糸」のあらすじや感想、印象に残った文章を紹介します。

本を選ぶ際に、ぜひご活用ください。

「切れない糸」はこんな話

「切れない糸」は、4つの短編が入った連作短編集です。

以下、あらすじです。

大学卒業間近に、家業のクリーニング店を継ぐことになった主人公。

仕事を通じて、たくさんの服・人・謎に出会う、さわやかミステリー。

「切れない糸」の感想と印象に残った文章

「切れない糸」を読んで感じたことは、以下の2つです。

  • ひとつの服を長く大切にする人になりたい
  • 「ただ不安になる時間」は人生で1番ムダな時間

ひとつの服を長く大切にする人になりたい

ひとつの服を長く大切にしたいと思ったきっかけは、次の文章です。

「でも、この手袋やワンピースは、長い年月を大切に着てもらった衣類だ。ほら、裾上げの跡や、レースを縫いつけた跡もあるから、よくわかるよ。俺はね、こういう服こそ綺麗にしてやりたいと思うんだよ。だから手作業をさせてくれて、逆にありがとうって感じだな」

引用元:坂木司(2013年)『切れない糸』創元推理文庫(315ページ)

これは、預かった衣類を洗うために行った工場で、工場長が言ったセリフです。

私は、育児中・コロナ渦ということもあり、ここ2年くらい洋服を買いに行っていません。

利用するのは、ユニクロのネット通販のみ。

ユニクロは安くてお財布には優しいですが、長く大切に着るという感じではないですよね。

上記の文章を読んで、流行に左右されず長く着れる服を持ちたいと思いました。

いいものを長く大切にしている人って、素敵ですよね

私は育児を言い訳にサボりまくってるので、雑誌を買うところからはじめます…

以前話題になりましたが、こちらの本で「自分に似合う服」を考えてみるのもよさそうですね。

「ただ不安になる時間」は人生で1番ムダな時間

ニュースやSNSなど、毎日不安になることばかりですよね。

いったん不安になると、なかなか抜け出せないあなたへ。

同じく不安から抜け出しにくい私の心に、ガツンときた文書がこちらです。

そう、「今」は続かない。
それは親父が死んだことによって、俺が唯一学んだことだ。
終わらないことはないし、いなくならない人はいない。でも、だからっていつ訪れるかわからない終わりを考えて、くよくよ暮らすのはまっぴらごめんだ。
だから俺は、今を楽しもうと思う。今、起こっていること。今、目の前にいる人。それをきちんと味わっておけば、突然終わりが来ても後悔せずにすむかもしれない。ま、貧乏性って言えばそれまでかもしれないけどさ。

引用元:坂木司(2013年)『切れない糸』創元推理文庫(334ページ)

まっぴらごめんって…グサッときましたね

でも、その通り。

「ただ不安になる時間」は、人生で1番ムダな時間ですよね。

不安を解消する方法を考えるわけでもなく、ただ「どうしよう…」とウジウジする時間。

ほんっとムダですよね。なんか目が覚めた気がします。

不安になることが多い人は、ぜひ読んでみてください。

「めっちゃ時間の無駄じゃん!」って思うはずです。

「切れない糸」はこんな人におすすめ

「切れない糸」がおすすめなのは、こんな人です。

  • さわやかなミステリーが好き
  • 長編より短編が好き
  • 最近、服に気を遣う余裕がない
  • 不安になることが多い
  • 心に余裕がない

「切れない糸」を読むと、人とのつながりや長く使えるものを大切にしようと思えます。

読み終わると、ほっとひと息つくはずです。

まとめ

この記事では、坂木司さんの「切れない糸」を紹介しました。

短編集なので、スキマ時間にちょこちょこ読めます。

ミステリーを楽しみながら、あったかい気持ちになりたいときにピッタリの本です。

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