ポップなミステリー:2割。子育て問題の沼:8割。
これが辻村深月「クローバーナイト」。
育児中のわたしにとって、ぶち当たりたくない問題ばかり。
でも、その問題を家族で乗り越える様子に励まされる作品でした。
辻村深月「クローバーナイト」のあらすじと感想をネタバレなしで紹介するので、気になったら読んでみてください。
「クローバーナイト」のあらすじ
あらすじ
共働きの夫婦・長女4歳・長男1歳の4人家族。
子ども2人を保育園に預け、2人は仕事と育児に追われている。
ある日、同じ園のママに不倫のウワサが流れ始めて…。
「クローバーナイト」の感想
子育てをしている人なら誰しも陥りかねない沼が、ぎっしりと書かれていました。
保活にお誕生日会、お受験にママ友づきあい。さらには両親との関わり方まで。
いやー怖い。どの問題も闇が深いし怖いよ。
我が家は幸い、今のところ大きなトラブルには遭っていませんが、お受験と両親・義両親との関わり方の面では、グサグサきました。
一番ヤバいと思ったのは、こちらの部分▼
「他の人だったら気にもならないようなことを、親子だから、ママ、わかっちゃうんだよ。似てるから、志保ちゃんが何を気にしてるのかも見抜いて言えちゃうんだと思う。だって、志保ちゃんとママは親子だもん」
(辻村深月「クローバーナイト」光文社文庫 P.390)
「志保」は主人公の妻で、志保が志保の母親と電話してるときに言われたセリフです。
ここを読んで、ゾッとしました。怖すぎるよ。
私は、親子だからって、親と子は別々の存在だし考え方も全然違うと思っています。
何を考えてるかなんてわかるわけないし、わかってると思ってるのは全部妄想。
「母親だから、子どものことはなんでもわかる」って言っちゃう母親にはなりたくない。
ここを読んで、改めて決意しました。
あと、「クローバーナイト」のあらゆるところで出てくる「ママ友づきあい」。
やっぱり大変だなって読んでいて感じました。
今はまだ平和だけど、子どもが大きくなったら、いよいよママ友の沼に巻き込まれるのかな、と思うと今から心配。
もしそうなったら、また「クローバーナイト」を読んで元気をもらおうと思います。
子育ての沼を疑似体験できて、モヤモヤをミステリーの解決で晴らしてくれる。
「クローバーナイト」は子育て中の方にこそおすすめの作品です。