正しいか、正しくないかで割り切れないことが、世の中にはたくさんある。
そのことを「誰か Somebody」は教えてくれました。
ミステリーとしても濃厚で、ふつうに一気読み。
「誰か Somebody」のあらすじと感想をネタバレなしで紹介するので、気になったら読んでみてくださいね。
「誰か Somebody」のあらすじ
あらすじ
ひとりの男性が、自転車でひき逃げされ亡くなった。
犯人はまだ見つかっていない。
残された男性の娘2人は、父の人生を本にまとめたいらしい。
相談を受けた杉村三郎は、彼の人生を追っていく。
ふつうの人生だと思っていたが、調べていくうちに彼が隠してきたできごとが見えてくる。
「誰か Somebody」の感想
「誰か Somebody」の淡々と進んでいくストーリーは、リアルさ満点。
物語で出される謎も、さまざまなのも読む手を止まらなくさせました。
自転車でひき逃げしたのは誰か?姉の「誘拐」事件の真相は?父が「ちゃんとしておきたい」こととはなんだったのか?
などなど。
謎はしっかり解明されるのですが、「はい、めでたしめでたし」とはいかないのが宮部みゆき。
なにが正しくて、なにが正しくないのか?どこからが悪となるのか?
この境界線があいまいだってことを、ぐさっと刺してきます。
いや~。面白い。てか、余韻が深い。
読んで2日経っても、まだ「誰か Somebody」のことを考えてるくらい。
やっぱり宮部みゆきはすごい。