「海外小説を読んでみたいけど、読みにくそう…」
「これから海外小説を読もうと思うけど、読みやすいものってある?」
こんな人に向けて、この記事では「これから海外小説を読む人にオススメの小説」を6作品紹介します。
どれも登場人物が少なくて読みやすいので、ぜひ本選びの参考にしてみてください。
目次
読みやすい海外小説① わたしを離さないで
「わたしを離さないで」は、2017年にノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロさんの作品です。
「わたしを離さないで」のあらすじ
「わたしを離さないで」の主人公は”介護人”のキャシー。キャシーの仕事は”提供者”と呼ばれる人のお世話です。
介護人をまもなく辞めるキャシーが、自身のこれまでの人生を振り返り語っていく、という話になっています。
キャシーが生まれ育った”ヘールシャム”という施設。そこで過ごした青春の日々と出会った大事な親友。
キャシーの人生が語られていくにつれて、これらの真実が明らかになっていきます。
登場人物が少なく、淡々と語られるので読みやすい
重いテーマにも関わらず、キャシーが淡々と語るので重苦しさはあまり感じません。
メインの登場人物は3人なので、はじめての海外小説でも読みやすい作品になっています。
「わたしを離さないで」については、以下の記事でくわしく紹介しているので、よければ合わせてご覧ください。
関連記事:「わたしを離さないで」のあらすじと感想【重いけど読みやすい】
読みやすい海外小説② モモ
「モモ」は、1974年にドイツ児童文学賞を受賞した作品で、今も根強い人気があります。
児童文学ですが、大人が読んだ方がより刺さる作品です。
「モモ」のあらすじ
「モモ」は、不思議な少女モモが主人公のお話。モモに話を聞いてもらった人は、みんな悩みが解決してしまうんです。
ある日現れた灰色の男たちによって、人々は知らないうちに時間を奪われてしまいます。日々を楽しむことを忘れ、余裕がなくなっていく人々。
そんな人々を元に戻すため、モモが灰色の男たちに立ち向かっていく物語です。
児童書なので読みやすい
児童書なので、むずかしい表現がなく読みやすいです。
毎日を忙しく生きる大人が読むと、心の余裕や残された時間など心にグサッとくるものがあります。
自分の時間の使い方を決めるのは自分自身だと、改めて気づかされる本です。
読みやすい海外小説③ 悪童日記
「悪童日記」は、戦争の中を生きる双子の少年の物語です。
少年たちが、経験したことを日記に書き記す形式なので、むずかしい表現が少なくて読みやすいです。
「悪童日記」のあらすじ
「悪童日記」は、戦争中に母親によって「魔女」と呼ばれている祖母に双子が預けられるところからはじまります。
祖母との生活は厳しく、生きるために農作業などを覚えていきます。さらに家にある唯一の本「聖書」を使い、独学で読み書きを覚える双子。
戦争の中を生き延びようとする双子の姿が描かれた小説です。
固有名詞が登場しないので読みやすい
「悪童日記」は固有名詞が登場しない本です。
主人公も「ぼくら」と書かれ、双子の少年の名前は明かされません。
母親や祖母の名前も、土地の名前も書かれていないんです。
名前を覚える必要がなく、ページも短いので、はじめての海外小説にオススメです。
読みやすい海外小説④ 雪のひとひら
「雪のひとひら」は、タイトルどおり「雪のひとひら」が主人公の物語です。
「雪のひとひら」のあらすじ
ある寒い日に生まれた「雪のひとひら」。
「雪のひとひら」はひらひら舞い、地上に降ります。
そこで出会ったのは「雨のしずく」。さらに子どもたちも生まれます。
家族と幸せな時間を過ごす「雪のひとひら」に、家族との別れが訪れます。
最後に「雪のひとひら」自身が消える瞬間までを描いた物語です。
人生を「雪」にたとえた短い話なので読みやすい
「雪のひとひら」は、女性の人生を「雪」にたとえた作品とされていますが、大切な人がいるすべての人にオススメです。
大切な人と過ごす時間、大切な人との別れが美しく表現されています。
ページ数は159ページと短く、自然の美しさを感じる物語。心が洗われるような美しい物語を読みたい人にオススメです。
読みやすい海外小説⑤ 抜目のない未亡人
「抜目のない未亡人」は、小説ではなく喜劇の台本の形式で書かれた本です。
台本なので、小説より読みやすいです。
「抜目のない未亡人」のあらすじ
「抜目のない未亡人」は、年老いた夫の最後をみとった女性が主人公の物語。
彼女は舞踏会でイギリス、フランス、スペイン、イタリアの男に求婚されます。
自分に一番ふさわしいのはどの男か…
それを見極めるために女性は男たちを試していく、という喜劇です。
喜劇の台本なので、楽しくサクサク読める
「抜目のない未亡人」は、台本なので景色の描写といったむずかしい表現がありません。
実際の映像をイメージしやすいので、海外小説がはじめての人も読みやすいです。
喜劇なので、笑える要素もあります。楽しく読みたい人にオススメの本です。
読みやすい海外小説⑥ 深い穴に落ちてしまった
「深い穴に落ちてしまった」は、大人のための寓話と言われている本です。
寓話なので、子どもが読みやすい表現で書かれていて読みやすいです。
「深い穴に落ちてしまった」のあらすじ
「深い穴に落ちてしまった」は、ある日穴に落ちてしまった兄弟が主人公です。
穴の深さは7メートル。生きて穴から脱出するために、兄弟はあらゆるものを食べて生き延びようします。
兄弟は穴から出られるのか?どうして穴に落ちてしまったのか?
読むと世界の見え方がちょっぴり変わる本です。
テーマは重いけど寓話なので読みやすい
「深い穴に落ちてしまった」で書かれているテーマは重いです。
極限の環境で生きる兄弟を想像すると、胸が苦しくなります。でも読みやすいです。
兄弟が穴に落ちた理由はラストで明かされるので、ミステリーの要素もあります。
ダークなお話を読みたい人にオススメの本です。
まとめ
この記事では「これから海外小説を読む人にオススメの小説」を6作品紹介しました。
以下の記事で「このミステリーがすごい!の海外部門の大賞作品」をまとめているので、よければこちらも本選びの参考にご覧ください。