- 「ハムレット」ってどんな話?
- 「ハムレット」の面白いところってどこ?
こんな人向けに、「ハムレット」のあらすじと面白かったところを紹介します。
「ハムレット」のあらすじ
「ハムレット」は、一言でいうと
父を殺した相手に復讐する、王子の葛藤を描いた悲劇です。
もう少しくわしいあらすじはこちら▼
あらすじ
主人公は、王子・ハムレット。
彼は、父である国王が死んだ悲しみと、新王となった叔父と母がすぐ再婚したことへの怒りでいっぱいだった。
父の亡霊から、父は叔父に殺されたと知ったハムレットは、復讐を決意。
愛する人とも別れたハムレットは、復讐して父の仇をとれるのか?
「ハムレット」の面白かったところ
「ハムレット」を読んで、面白いな~と思ったところはこちらの3つ▼
- 主人公・ハムレットの変化&セリフ
- 王のカスっぷり
- 今でも刺さる父から子へのアドバイス
① 主人公・ハムレットの変化&セリフ
「ハムレット」でいちばん面白かったのは、やっぱり主人公・ハムレットの変化。
話が進むごとに、変わっていくハムレットの心とセリフが、めちゃカッコよかったです!
なかでもいちばん刺さったセリフがこちら▼
人間とは何だ?
ただ食って寝るだけで人生のほとんどを費やすとしたら?
獣と変わりはない。
神は我らに、前を見通し、うしろを見返す大きな思考力を授けたもうた。
その能力と神にも劣らぬ理性を持ち腐れにしてよいはずがない。引用元:河合 祥一郎(2023年)『新訳 ハムレット』角川文庫(155ページ)
これね…冗談抜きで全人類に読んで欲しいと思ったよ。
だって、今の世界情勢や日本の状況って、「大きな思考力と理性」を持ち腐れにしてるとしか思えないもんね。
思考力って、自分で考えることでしか身につかないんですが、それには「ひとりの時間」が必要。
今の時代って、ひとりの時間がめっちゃ減ってるから、思考力が下がりやすくなってるんですよね。
周りに流されずにひとりの時間をもって、授けられた思考力と理性を活かさないとな~と感じました。
② 王のカスっぷり
読む前は、「ハムレット」って、立派な人ばかりが登場する話なんだと思ってました。
でも、全然違いました。
立派な人よりも、欲望むき出しの人の方が多かったんです。
なかでもすごかったのが、国王である兄を殺し新王となった弟。
罰を受けずに欲しいものだけ手に入れたい彼のカスっぷりには、思わず笑っちゃいました。
ツッコミどころ満載の弟のセリフがこちら▼
この呪われた手に兄の血が分厚くこびりついていても、それを雪のように白く洗い流す恵みの雨はないのか。
(略)
わが王冠、わが野心、そしてわが王妃。
それらを手放さずに赦しが得られようか。引用元:河合 祥一郎(2023年)『新訳 ハムレット』角川文庫(128ページ)
「そんな都合のいい雨、あるわけないやろ」
「赦しも得られるわけないやろ」
読みながら、ふつうにツッコんでしまいました。笑
実際に劇場で見たら、笑ってしまうシーンなのかもしれませんね。
③ 今でも刺さる父から子へのアドバイス
「ハムレット」には、今でも使える父から子へのアドバイスがありました。
それがこちら▼
ところで、二、三、言っておきたいことがある。
しっかり肝に銘じておけ。口は禍のもと。舌三寸に胸三寸。人と馴染むはよいが、親しき仲にも礼儀あり、と。引用元:河合 祥一郎(2023年)『新訳 ハムレット』角川文庫(35ページ)
「舌三寸に胸三寸」は、軽はずみな言動に気をつけろ、って意味です。
どのアドバイスも、今の時代に大切な心がけですよね。
むしろ、今こそこれらの心がけを大切にするべきなのかもしれませんね…
「ハムレット」でグッときたシーン
「ハムレット」でいちばんグッときたシーンがこちら▼
私の手首をとると、ぎゅっと握り締め、
それから腕を伸ばせるだけうしろにさがり、
もう一方の手をこうして額にかざし、
まるで私の顔を絵に描こうとなさるみたいに
じっと見つめ、長いこと身動きなさいませんでした。
とうとう、私の腕を少し揺すると、
このように三度、頭を上げ下げして、
哀れな深い溜め息をつかれました。
まるで体全体が崩れて、消え入るように。引用元:河合 祥一郎(2023年)『新訳 ハムレット』角川文庫(128ページ)
ハムレットの愛する人・オフィーリアのセリフなのですが、読んでて泣きました。
もうこんな風に手を握ることも、この距離で見つめることもない。
だから、愛する人の姿をしっかり目に焼きつけよう。
復讐を決意したハムレットがこんな風に思ってるようで、めっちゃ切なかったです…
「ハムレット」は、
- しっかりした見せ場あり
- カッコいセリフあり
- 考察しがいのある
名作でした。
想像以上にサクッと読めて、めっちゃ面白かったので、迷っている方はぜひ読んでみてくださいね。