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国内小説

思い出に残るのは、いつもの料理「彼女のこんだて帖」

2022年6月24日

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毎日食べている料理やお弁当。

なんの記憶にも残らないように見えますよね。

でも、過去を振り返ったときに思い出すのは、豪華な食事よりいつもの料理だったりするんです。

今回紹介する「彼女のこんだて帖」は、いつもの料理がちょっとだけ輝いて見える本です。

「彼女のこんだて帖」のあらすじ

「彼女のこんだて帖」のあらすじはこちら。

長く付き合った男と別れた。だから私は作る。私だけのために、肉汁たっぷりのラムステーキを! 仕事で多忙の母親特製かぼちゃの宝蒸し、特効薬になった驚きのピザ、離婚回避のミートボールシチュウ――舌にも胃袋にも美味しい料理は、幸せを生み、人をつなぐ。レシピつき連作短編小説集。

引用元:講談社BOOK倶楽部

「彼女のこんだて帖」の特徴

「彼女のこんだて帖」の特徴はこちら。

  • 連作短編集だから、スキマ時間でも楽しめる
  • 物語に登場した料理のレシピも載っている
  • おいしいご飯が食べたくなる
  • 誰かにご飯をつくってもらいたくなる

読むと、お腹がすいてきます。

ご飯を食べてから読むのがオススメです。笑

「彼女のこんだて帖」のオススメポイント

「彼女のこんだて帖」のオススメポイントは2つ。

  • 心が元気になるおいしいご飯を食べたくなる
  • 家族の思い出に残るご飯を食べたくなる

ひとつずつ紹介しますね。

心が元気になるおいしいご飯を食べたくなる

「彼女のこんだて帖」は、登場人物がなにかのきっかけでご飯を食べます。

失恋した女性は、自分だけのためにラムステーキを。

仕事で忙しい母親は、子どもの誕生日にかぼちゃの宝蒸しを。

受験生の男の子は、ツイてない状況を打開するために手打ちうどんを。

おいしいご飯は、体だけじゃなく、心も元気になれることに気づく本です。

忙しい日々の中でも、おいしいご飯を家族でゆっくり食べたいなと思いました。

家族の思い出に残るご飯を食べたくなる

「彼女のこんだて帖」のなかで、一番印象に残った文章はコチラ。

「かんたんなのよ。手抜き料理」記憶がまたよみがえる。妻はそう言って、向かいの席で笑う。
「ねえ、おいしい?」
ねえ、おいしい? と妻はよく訊いた。おいしいと、自分はちゃんと答えていたか。秋男は不安になる。それで、つい大声で言ってしまう。
「おれはこんなにおいしいものを食べていたんだなあ」

引用元:角田光代(2011年)『彼女のこんだて帖』講談社文庫(119ページ)

妻を亡くした秋男。

亡くなった妻が作っていた料理を思い出し、再現して食べたときのシーンです。

このシーンを読むたびに涙が出てきます。

記憶に残らないと思っていた料理。

そんな料理が、ふと思い返すと記憶に残っていることってありますよね。

私は、料理は得意ではありません。

けれど、家族の記憶に残る料理をひとつでも多く作りたい。

そう思った文章です。

「彼女のこんだて帖」はこんな人にオススメ

「彼女のこんだて帖」はこんな人にオススメです。

  • スキマ時間に読める小説を読みたい
  • 本を読んで元気になりたい
  • おいしいご飯をゆっくり食べる時間がない

たまには、家族でご飯をつくって食べるのもアリかもと思える本です。

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