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国内ミステリー

不思議な力をもつ一族の優しくて怖い物語「光の帝国」

2022年10月6日

hikari-no-teikoku

ホラーだと思って「光の帝国」を読んでない人は、今すぐ読むべきです!

怖さも感じますが、お化けが出る怖さじゃありません。

「光の帝国」は、すごくて優しくて涙が出る作品です。

この記事では、「光の帝国」のあらすじや感想を紹介します。

「光の帝国」はこんなお話

「光の帝国」は、10作品も入っている短編集です。

以下、あらすじです。

不思議な力を持つ「常野(とこの)一族」

とてつもない量を記憶できたり、未来を知れたり、長生きできたり、力の種類はさまざま。

読むと、うるっときたり、驚いたり、怖くなったり…

いろいろな感情を味わえる10の短編が詰まった作品集。

「光の帝国」を読んだ感想

「光の帝国」を読んで感じたのは、次の3つです。

  • 全然ホラーじゃない
  • 不思議な力を持つ優しい人たちが登場する話
  • いろんな感情を味わえる超お得な短編集

全然ホラーじゃない

恩田陸さんは、ミステリー以外にホラーっぽい作品を書く作家さんです。

ホラーが大の苦手な私は、「光の帝国」をずっとホラーだと思って避けてきました。

読んでみたら、全くホラーじゃありませんでした…

めちゃめちゃ面白かったので、「もっと早く読みたかった!」と悔しくなったほど。

ホラーだと思って避けている人は、今すぐ読んでみてください!

不思議な力を持つ優しい人たちが登場する話

「光の帝国」は、不思議な力を持つ「常野(とこの)一族」のお話です。

この常野一族の大きな特徴が、すごい力を持っているのに、全然偉そうじゃないところ。

「世界を我が一族の手に!」みたいな野望はなく、ふつうの人々の中でひっそりと生きています。

ひっそりと生きていて、優しさを感じるんだけど、近寄りがたい雰囲気を持つ「常野一族」。

ものすごい記憶力や、未来予知の力が登場する話が好きな人は、きっと楽しめる作品です。

いろんな感情を味わえる超お得な短編集

「光の帝国」は「常野(とこの)一族」の話が10編入った短編集ですが、作品ごとに雰囲気がガラッと変わるんです。

ちょっと泣ける話だった…と思ったら、一転して次はちょっとシリアスな話になります。

感情や雰囲気のふり幅が、とても大きい短編集です。

ジーンと来たり、ドキッとしたり、ぐっと来たりと、1冊でいろんな感情を味わえる、超お得な短編集です。

「光の帝国」で印象に残った文章

「光の帝国」で印象に残ったのは、「歴史の時間」という短編に入っていた、次の文章です。

「あたし、古臭い言葉だけど『継続は力なり』って言葉好きなの。あれは本当だと思うわ。ずうっと続けなくちゃ。いろいろ試して、試して、試し続けなくちゃ。ちょっとやってみただけで、いったい何が分かるっていうの?みんなで長い長い時間の先を目指して、ずっと歩き続けなくちゃいけないの。でないとあたしがここにいる意味ないもの」

引用元:恩田陸(2009年)『光の帝国』集英社文庫(159ページ)

生きる意味を考えている高校生の会話での1コマ。

自分が死んだ後まで考えているような印象ですが、前半部分は自分の人生においても、大切なことですよね。

ちょっとやってだめなら、「自分には向いてない」とさっさと諦める。これって、結構ありますよね。

効率を求めることも大切ですが、やると決めたことはやり続ける粘り強さも持ちたいと思った文章です。

「光の帝国」はこんな人におすすめ

「光の帝国」がおすすめなのは、こんな人です。

  • 不思議な力を持つ人が好き
  • いろんな人が主役になる短編集が好き
  • いろんな気分を味わいたい

ほかの短編とつながっているものもあれば、そうでないものもあります。

最後まで読み終わった時に、グッとくるはずです。

まとめ

この記事では「光の帝国」について紹介しました。

「光の帝国」には続編が2冊発売されています。

1冊目は「蒲公英草紙」。これは、「光の帝国」に入っている「大きな引き出し」の続編です。

2冊目の「エンド・ゲーム」は「オセロ・ゲーム」の続編となっています。

これらの短編の続きが読みたい人は、ぜひ手に取ってみてください。

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