- 「百鬼夜行」シリーズってどの順に読めばいい?
- それぞれどんな話?
- どんな人におすすめなの?
こんな人向けに、京極夏彦さんの「百鬼夜行」シリーズの読む順番とあらすじを紹介します。
まだ読んだことがない人も、久しぶりに読み返そうという人も参考にしてくださいね。
「百鬼夜行」シリーズは発売順に読むのがおすすめ
基本的に、「百鬼夜行」シリーズは発売順に読むのがおすすめです。
特に「塗仏の宴」は、それまでの作品を読んでいないと話についていけません。
過去作品のネタバレもあるので、発売順にじっくり楽しむのがいちばんです。
「百鬼夜行」シリーズの発売順は以下の通り▼
- 姑獲鳥の夏(うぶめのなつ)
- 魍魎の匣(もうりょうのはこ)
- 狂骨の夢(きょうこつのゆめ)
- 鉄鼠の檻(てっそのおり)
- 絡新婦の理(じょろうぐものことわり)
- 塗仏の宴 宴の支度(ぬりぼとけのうたげ うたげのしたく)
- 塗仏の宴 宴の始末(ぬりぼとけのうたげ うたげのしまつ)
- 陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず)
- 邪魅の雫(じゃみのしずく)
- 鵼の碑(ぬえのいしぶみ)
1冊ずつ簡単にあらすじを紹介しますね。
ちなみに、「邪魅の雫」までの9冊合本版もあるので、全部読みたい人はこちらもアリです^^
① 姑獲鳥の夏(うぶめのなつ)
あらすじ
医院の娘は20ヶ月も身ごもったまま。
しかも夫が密室から失踪したらしい。
奇怪なうわさが流れる医院の謎を、古本屋で陰陽師でもある「京極堂」が解きほぐす。
冒頭の京極堂のお話がかなり長いので、はじめは読みにくいと思うはず。
でも、事件が動き出すとどんどん面白くなっていきます。
1作目ということもあり、いろいろ説明が多めですが、謎が鮮やかに解かれる瞬間は快感です。
② 魍魎の匣(もうりょうのはこ)
あらすじ
“箱”を崇める謎の教団。”箱”に詰められた少女。巨大な”箱”の建物。
関係なさそうに思える事件たちが、思わぬところでつながっていく。
日本推理作家協会賞を受賞した作品。
「姑獲鳥の夏」より読みやすくて面白いので、「『姑獲鳥の夏』はちょっと…」という人もここまでは読んでみてください!
③ 狂骨の夢(きょうこつのゆめ)
あらすじ
教会を訪れた記憶喪失の女性。
牧師が話を聞くと、首を切って殺した夫が何度も帰ってくる。
そのたびに殺して首を切っている、という現実離れしたもの。
彼女の話と、警察が捜査中の集団自殺事件・金色の髑髏事件とのつながりは?
記憶や夢がメインのミステリー。
面白いのはもちろんですが、ツラい気持ちにもなる作品です。
④ 鉄鼠の檻(てっそのおり)
あらすじ
舞台は箱根にある寺と旅館。
そこで弟子が次々に殺されていく事件が発生。
警察も捜査するが犯人は見つからない。
殺人事件とともに、寺の憑き物も京極堂が落としていく…
「禅」のうんちく盛りだくさんのミステリー。笑
うんちくを読んでいるときは「長…」と思うのですが、まったく無駄じゃありません。
ばっちり効いてくるうえ、単純に勉強にもなるのでおすすめです^^
⑤ 絡新婦の理(じょろうぐものことわり)
あらすじ
世間を騒がせる目潰し魔。
女学校に存在する秘密サークルの怪しいウワサ。
全然関係なさそうに見える2つの事件が、蜘蛛の巣のように絡み合う。
巣の中心にいるのは誰?
個人的にシリーズのなかでいちばん好きな作品。
ミステリーとしてはもちろん、作品の雰囲気がダントツで好きです!
「魍魎の匣」の話も出てくるので、「魍魎の匣」のあとに読むのもアリです^^
⑥ 塗仏の宴 宴の支度(ぬりぼとけのうたげ うたげのしたく)
あらすじ
6つの怪しげな団体をそれぞれ描く。
バラバラに見える6つのお話。
それらはすべて「宴の支度」
宴の中心は、京極堂?
これまでの作品で登場した人物たちが続々と登場!
6つのお話がのっていて、それぞれ中途半端なところで終わります。
タイトルどおり「宴の支度」で、すべての答えは次の「宴の始末」で明かされるんです。

⑦ 塗仏の宴 宴の始末(ぬりぼとけのうたげ うたげのしまつ)
あらすじ
「宴の支度」でちりばめられた謎が明かされる。
誰がなんのために、こんな手のかかることをしたのか?
「宴」の真相を、京極堂が覚悟と怒りをもって解き明かす…
感情を表に出さない京極堂の、人間味を感じる作品。
宴の黒幕との対決は読み応えたっぷりです。
⑧ 陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず)
あらすじ
伯爵に嫁いだのはこれまでに4人。
彼女たちは嫁いだ翌朝死んでいた…
5度目の悲劇を防ぐため、伯爵は探偵・榎木津に警護を依頼するが…
前作とは違い、サクサク読めるミステリーです。笑
衝撃度は少なめですが、いろいろ考えさせられる作品。

⑨ 邪魅の雫(じゃみのしずく)
あらすじ
連続毒殺事件には、公にはできない”毒”が使われている?
毒殺事件の被害者は、破談になった探偵・榎木津の見合い相手の関係者だった。
どうやら、どの相手も最初は乗り気だったものの、なぜか断ってきたらしい…
毒殺事件と榎木津の見合いとの関係は?
探偵・榎木津がメインのお話。
これまでは、インパクトが強烈なものの、出番は少なめだった榎木津。
そんな榎木津の新たな一面を知れる作品です。
⑩ 鵼の碑(ぬえのいしぶみ)
2023年9月、17年ぶりに続編が発売されました!
以下、あらすじです▼
殺人の記憶を持つ娘に惑わされる作家。
消えた三つの他殺体を追う刑事。
妖光に翻弄される学僧。
失踪者を追い求める探偵。
死者の声を聞くために訪れた女。
そして見え隠れする公安の影。発掘された古文書の鑑定に駆り出された古書肆は、
縺れ合いキメラの如き様相を示す「化け物の幽霊」を祓えるか。引用元:amazon.co.jp

「鵼の碑」については、こちらでくわしく解説しています▼
≫ 「鵼の碑」どうだった?ノベルスと単行本の違いは?シリーズ未読でもいける?
「百鬼夜行」シリーズのサイドストーリー【2作】
「百鬼夜行」シリーズには、メインの長編作品のほか、サイドストーリーもあります。
サイドストーリーは以下の2作品▼
- 百鬼夜行 陰
- 百鬼夜行 陽

「百鬼夜行」シリーズのスピンオフ【7作】
「百鬼夜行」シリーズのスピンオフは、大きく3シリーズに分かれています。
- 探偵・榎木津礼二郎が主役のスピンオフ【2作】
- 民俗学者・多々良勝五郎が主役のスピンオフ【1作】
- 中禅寺敦子と呉美由紀が主役のスピンオフ【4作うち1作は合本】
① 探偵・榎木津礼二郎が主役のスピンオフ【2作】
探偵・榎木津礼二郎が主役のスピンオフは、こちらの2作品▼
- 百器徒然袋 雨
- 百器徒然袋 風
② 民俗学者・多々良勝五郎が主役のスピンオフ【1作】
民俗学者・多々良勝五郎が主役のスピンオフはこちら▼
- 今昔続百鬼 雲
③ 中禅寺敦子と呉美由紀が主役のスピンオフ【4作うち1作は合本】
京極堂の妹・中禅寺敦子と呉美由紀が主役のスピンオフ作品は、以下の4作▼
- 今昔百鬼拾遺 鬼
- 今昔百鬼拾遺 河童
- 今昔百鬼拾遺 天狗
- 今昔百鬼拾遺 月(鬼・河童・天狗の合本)

「今昔百鬼拾遺」については、くわしくはこちらをどうぞ▼
「百鬼夜行」シリーズはこんな人におすすめ
「百鬼夜行」シリーズはこんな人におすすめです▼
- ミステリー大好き
- 探偵が登場する作品が好き
- いくつかの事件がつながる話が好き
- 殺人事件は読めるけど、ホラーは苦手
「百鬼夜行」シリーズは、表紙だけ見ると「ホラーかな…?」と思う人も多いはず。

でも、全然ホラーじゃありません!
妖怪の仕業と思われる現象を、鮮やかに解明してくれる超面白いミステリーです。
だまされたと思って、ぜひ読んでみてくださいね^^