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海外小説

「停電の夜に」は自分のなかの黒い一面に気づかされる本

2022年7月19日

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今回紹介するのは、ジュンパ・ラヒリさんの「停電の夜に」。

「停電の夜に」は、デビュー作にもかかわらず、ピューリッツァー賞を受賞した作品です。

この記事では、「停電の夜に」のあらすじとオススメポイントをネタバレなしで紹介します。

「停電の夜に」について

タイトル停電の夜に
作者ジュンパ・ラヒリ
訳者小川 高義
出版社新潮文庫
ページ数327ページ
発売日2003年2月28日

9つの作品が収録された短編集です。

「停電の夜に」のあらすじ

以下「停電の夜に」のあらすじです。

ある夫婦のもとに、工事のため数日のあいだ、夜1時間停電すると通知が届く。

夫婦は、停電のになるとロウソクを灯し、ささいな秘密を打ち明けあう…(停電の夜に)

インドに観光に訪れた家族を案内するタクシー運転手。

楽しく案内していたが、いきなり家族の秘密を打ち明けられてしまう…(病気の通訳)

夫婦、家族など近い関係間での衝突や心の揺れを感じる、短編集。

「停電の夜に」のオススメポイント

「停電の夜に」のオススメポイントは2つ。

  • 近い関係だからこそ起こる衝突に共感
  • 誰もが持つ残酷さにギクリ

近い関係だからこそ起こる衝突に共感

「停電の夜に」のオススメポイントは、近い関係だからこそ起こる衝突に共感できる点。

「停電の夜に」に収録されている作品は、どれも近い関係で起こる衝突をテーマにしています。

夫婦、家族といった関係は、近いからこそぶつかって、近いからこそ言えなかったりしますよね。

「停電の夜に」で描かれているのは、そんな近しい関係の衝突や言えないモヤモヤ。

「うわ~その気持ちわかる!」

「実際にはやらないけど、気持ちはわからなくもない」

共感して何度もうなずいてしまうポイントが盛りだくさんです。

誰もが持つ残酷さにギクリ

誰もが持つ残酷さにギクリとしちゃう点も「停電の夜に」のオススメポイント。

「停電の夜に」は、意識・無意識関係なく、人が持つ残酷さが描かれています。

正しさを求められる現代ですが、100%正しい人なんていません。

誰しも気づかないうちに、相手に残酷な行動をとっているかもしれません。

「げ、これ自分もやっちゃってるかも…」とギクリとなるシーンが「停電の夜に」はちりばめられています。

あまり暴かれたくない、自分の黒い一面に気づいちゃう本です。

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