この記事では、寺地はるなさん「川のほとりに立つ者は」のあらすじと特徴を紹介します。
ネタバレなしで紹介するので、読もうかどうか迷っている人は、参考にしてみてください。
目次
「川のほとりに立つ者は」のあらすじ
主人公は、カフェの店長をしている女性・清瀬(きよせ)。
ケンカしたきり会っていなかった恋人・松木が、事故に遭い意識不明になってしまいます。
松木の部屋を訪れ、ケンカの理由・松木の隠しごとを知った清瀬。
さらに清瀬は、カフェの店員も、ある秘密を持っていたことを知ります。
松木の事故をきっかけに、清瀬は「自分が相手をどう見ているか」「相手からどう見られているか」を見つめていきます。
「川のほとりに立つ者は」の特徴【3つ】
実際に読んで感じた「川のほとりに立つ者は」の特徴は、以下の3つ。
- 自分の持つ”心のフィルター”に気づかされる
- 100%ハッピーエンドじゃないけど、悪い気分にはならない
- イライラしたときに読むと、冷静になれる
ひとつずつ紹介しますね。
① 自分の持つ”心のフィルター”に気づかされる
「川のほとりに立つ者は」は、自分が無意識に持っている”心のフィルター”に気づかされます。
なぜなら、人よりできないこと・人には言えない過去を持つ人が登場するから。
いわゆる「普通」の主人公は、物語が進むにつれて、自分がたくさんのフィルターを持っていることに気づきます。
読むと、「うわ、私もこんな行動しちゃうな…」と思うはず。
とは言っても、心のフィルターは決してゼロにはなりません。
気にしすぎると、身動きできずに心が病んでしまうと思います。
「相手の事情を知るのも大事だけど、好き嫌いは別の話」。これくらいのスタンスでいいんじゃないのかな、と読みながら感じました。
② 100%ハッピーエンドじゃないけど、悪い気分にはならない
「川のほとりに立つ者は」は、100%ハッピーエンドのお話ではありません。
かといって、読んだ後の気分は悪くありません。
これからを感じさせるラストになっています。
「すっきりしないラストは嫌い」という人には、ちょっと合わないかもしれません。
③ イライラしたときに読むと、冷静になれる
「川のほとりに立つ者は」は、イライラしたときに読むのがおすすめです。
なぜなら、登場人物たちのいい面・悪い面が、次々に明らかになるから。
特に、人の悪い面を客観的に見ると、「あれ?自分も同じことやっちゃってない?」と考えさせられます。
イライラしているとき、読みはじめは「ダメな人ばっかりじゃん!」と思うはず。けれど、読み進めていくうちに、だんだん冷静になっていきます。
「川のほとりに立つ者は」は、読んでいて、自分のダメさを責められているような気持ちにはなりません。
なので、イライラしているときはもちろん、ちょっと凹んでいるときに読むのもおすすめです。
まとめ
この記事では、寺地はるなさん「川のほとりに立つ者は」のあらすじと特徴を紹介しました。
220ページ程の短めの作品なので、気になったら読んでみてください。