恩田陸さんの「黒と茶の幻想」は、仕事や家庭で同じような日々を繰り返すアラサーに刺さる1冊です。
理由は3つ。
- 意味のない会話を楽しめる
- 日常から離れ、スッキリした気分になる
- 登場人物の悩み・グチに共感できる
この記事では、「黒と茶の幻想」のあらすじとアラサーに刺さる理由を、くわしく紹介します。
注意
「黒と茶の幻想」は、「麦の海に沈む果実」のネタバレが含まれています。未読の人はご注意ください。
「黒と茶の幻想」はこんな話
以下、あらすじです。
30代になった元同級生の4人の男女が、ある島へ旅行に出かけた。
日常生活から離れ、自然や会話を楽しむ4人。
けれど、それぞれが隠してきた過去が徐々に明かされていく。
ミステリーとしてはもちろん面白いです。けれど、アラサーの人が読むと、より面白さを感じられる1冊です。
「黒と茶の幻想」がアラサーに刺さる3つの理由
繰り返しですが、「黒と茶の幻想」がアラサーに刺さる理由は、次の3つ。
- 意味のない会話を楽しめる
- 日常から離れ、スッキリした気分になる
- 登場人物の悩み・グチに共感できる
ひとつずつ解説します。
① 意味のない会話を楽しめる
普段の生活では、「純粋に会話を楽しむこと」ってほとんどありませんよね。
仕事もプライベートも、会話の目的があるはずです。
「黒と茶の幻想」では、登場人物たちが純粋に会話を楽しむ様子がたくさん描かれています。
ちょっとした謎解きをしたり、「一番好きな映画は?」といったあまり意味のない質問に答えたりします。
「黒と茶の幻想」を読むと、自分のふだんの会話がちょっとむなしく感じますが、純粋に会話を楽しめる本です。
② 日常から離れ、スッキリした気分になる
「黒と茶の幻想」は、男女4人がある島へ旅行に行く物語。
そこは自然が多い場所で、森の中を歩く場面がたくさんあります。
読んでいると、自分も森の中を歩いているようで、スッキリした気分になります。
結婚して子どもができると、めったにできない大人だけの旅行。
「黒と茶の幻想」を読むと、旅行気分を味わえますよ。
③ 登場人物の悩み・グチに共感できる
「黒と茶の幻想」に登場する男女4人は、全員30代。
子どもがいたり、新婚だったり、離婚間際だったりと、状況はバラバラ。
そんな彼らが吐き出す、仕事・家庭・人生の悩みやグチの数々。
「うわ~!めっちゃわかる!こう思うのって自分だけじゃないんだ!」と共感して思わずうなずくはず。
「自分のことを言われてるようでツラい…」と感じることはないので、メンタルが落ちてるときも安心して読めますよ。
むしろ「黒と茶の幻想」は、「自分だけ上手く生きれない」と悩むときこそおすすめの本です。
上手く生きれないのは自分だけじゃない、と思えるはずです。
まとめ
この記事では、「黒と茶の幻想」について紹介しました。
上下巻あるので、気になったらひとまず上巻だけ読んでみてください。