ドロドロなお話があったり、罪あるものが謎の屋敷に囚われたり。
三島屋シリーズ6作目「黒武御神火御殿」は、これまでのシリーズと比べて恨みが濃ゆいお話が多かったです。
「黒武御神火御殿」のあらすじと感想をネタバレなしで紹介するので、気になったら読んでみてください。
「黒武御神火御殿 三島屋変調百物語六之続」のあらすじ

あらすじ
変わり百物語の聞き手は、おちかから富次郎へ。
甘いもの好きで怖がりの富次郎のもとへ、語り手たちがやってくる。
「黒武御神火御殿 三島屋変調百物語六之続」の感想
今回の「黒武御神火御殿」は、恨みが濃ゆいお話が盛りだくさんだった。
とくに「第二話 姑の墓」と「第四話 黒武御神火御殿」。
第二話 姑の墓
話を聞いた後に、タイトルの「姑の墓」を見ると、めちゃめちゃ怖くなる。
壊れかけた人の恨みだから余計に深かったのかな。
にしても、深すぎる。内容は大好きだけどね。
第四話 黒武御神火御殿
三島屋シリーズのなかでいちばん長いと思われるお話が「黒武御神火御殿」。
ページ数はなんと300ページ以上。
下手するとこれだけで1冊出せるくらいのお話でした。
なんでこんなに長いかっていうと、お話がはじまるまでにいろいろあったから。
語り手には、語って語り捨てにしたいけど、素直に言い出せない事情があったんです。
その事情も、話を聞けば納得。
深い恨みと因縁に何十年も囚われつづけている語り手の男性。
彼には、序盤はイラっとする部分はあるものの、最後まで聴くと印象が変わります。
富次郎が最後になにを描くのかも必見です。
