「ママは何でも知っている」は、アガサ・クリスティーさんの<ミス・マープル>シリーズが好きなら、きっと楽しめる1冊です。
この記事では、「ママは何でも知っている」の感想や、おすすめの人について紹介します。
目次
「ママは何でも知っている」はこんな話
「ママは何でも知っている」は、安楽椅子探偵のママが活躍する、8つの作品が入った短編集です。
以下、あらすじです。
毎週金曜は、実家に息子と妻がディナーを食べに来る日。
話題になるのは、息子が関わっている事件の話。
話を聞いたママは、ちょっとした質問をするだけで、あっという間に事件を解き明かしてしまう。
日本では1977年に発売された本ですが、今でも楽しめるミステリーです。
「ママは何でも知っている」を読んだ感想
「ママは何でも知っている」を読んだ感想は、以下の3つです。
- 短い、読みやすい、面白い!
- ママの観察眼がすごすぎる…
- ママのご飯がおいしそう
短い、読みやすい、面白い!
「ママは何でも知っている」には、8つの短編が入っています。
1つの短編は約30ページと、ちょっとした空き時間に読める長さ。
どの作品も、
- 刑事の息子から事件の話を聞く
- ママがいくつか質問をする
- ママが事件の真相を話す
と、話の流れが決まっているので、読みやすいです。
それに、なんといっても面白い!
「なんで気づかなかったんだろう…」といった手がかりを見逃さないママの活躍は、必見です。
ママの観察眼がすごすぎる…
ちょっとした手掛かりの見落としや、人の心理を見抜くママがすごすぎる…。
さらに、口調は厳しめだけど、相手の気持ちに寄り添うママ。
読み進めていくうちに、ママの魅力にハマるはずです。
ママのご飯がおいしそう
ママが、息子から話を聞くのは金曜の夜。
息子と息子の妻にディナーを振舞いながら、息子の話を聞いて推理するママ。
このディナーに登場するメニューが、どれもおいしそうなんです!
特に食べたくなったのが「ピーチパイ」。
「ママは何でも知っている」のなかで1番好きな短編
「ママは何でも知っている」には8つの短編が入っています。
そのなかで1番気に入った短編は、4つ目に入っている「ママは泣いた」です。
好きな理由は2つ。
- 登場する5歳の男の子が、自分の息子にタブって見えたから
- ママの”お気に入りの文句”が気に入ったから
登場人物の男の子が、自分の息子とダブる
5歳の男の子が犯人と思われる事件を解決する「ママは泣いた」。
ママの推理を聞いて、その子の行動や気持ちを想像すると、私も泣けてきました。
「自分の息子だったら…」って、つい思ってしまいます。(まだ1歳ですが)
思わず笑っちゃう、ママの”お気に入りの文句”
「ママは泣いた」で登場する、子どもについてのお気に入りの文句がこちら。
「子は、宝というより厄介なものだって、ママはよくいうじゃないか。ママのお気に入りの文句があるだろうー”赤児のときは親の家具を傷つけ、大人になると親の心を傷つける”」
「それは否定しないわよ」とママはぴしりといいかえす。「そういう傷心の思いがなかったら、人生って味気ないんじゃない?」引用元:ジェイムズ・ヤッフェ(2015年)『ママは何でも知っている』ハヤカワ・ミステリ文庫(98ページ)
もうね、読んだときに思わず笑っちゃいましたよ。
だって、その通り過ぎると思ったから。
「ママは泣いた」は1954年に発表された作品なのですが、70年近く経った今でもとても的を射た言葉ですよね。
ただ、上記のママの最後のセリフには、グサッときましたね…。
毎日、育児でヘトヘトだし傷つくこともたくさんあるけど、人生の厚みが出ていい味になってるんでしょうね。
「ママは何でも知っている」はこんな人におすすめ
「ママは何でも知っている」がおすすなのは、こんな人です。
- 安楽椅子探偵が登場するミステリーが好き
- <ミス・マープル>シリーズが好き
- 長編より短編が好き
ミス・マープルは、アガサ・クリスティーの作品に登場する安楽椅子探偵。
自分の知り合いの行動に当てはめて謎を解くスタイルが、ミス・マープルっぽいです。
1つの短編が約30ページ程なので、ちょっとした空き時間に読めますよ。
まとめ
この記事では「ママは何でも知っている」について紹介しました。
<ママ>シリーズは、長編で4作発売されています。
長編の1作目のタイトルは、「ママ、手紙を書く」。
「ママは何でも知っている」が面白かったら、長編の方もチェックしてみてください。