久々にドンピシャに好きな本に出会いました。
- 本が登場する本が好き
- さわやかさより、不条理や混沌が描かれる話が好き
- 恩田陸さん「三月は深き紅の淵を」が好き
- 皆川博子さんの作品が好き
「キャクストン私設図書館」は、こんな方にぴったりの作品です。
収録されている4つのお話のあらすじと、お気に入りの1文を紹介します。
本選びの参考にしてみてくださいね。
目次
「キャクストン私設図書館」のあらすじ
「キャクストン私設図書館」には、4つのお話が収録されています。
ひとつずつあらすじを紹介しますね。
① 「キャクストン私設図書館」
「キャクストン私設図書館」は、実態化した物語の主人公たちと、彼らが登場する作品がおさめられた不思議な図書館。
ある女性を追ってその図書館を訪れた、大の本好き”バージャー氏”。
図書館の秘密を知った彼は、あるタブーを犯します。
② 「虚ろな王」
「虚ろな王」は、「失われたものたちの本」のスピンオフ作品。
「失われたものたちの本」で登場した、いくつもの童話と同じようなお話が読めます。
「失われたものたちの本」を読んだ方はもちろん、未読の方でも問題なく楽しめる作品です。
③ 「裂かれた地図書ー五つの断片」
「裂かれた地図書ー五つの断片」は、怪奇現象を見せる奇妙な本をめぐる物語。
タイトル通り5つのお話で構成されています。
混沌と幻想が入り交じった作品です。
④ 「ホームズの活躍:キャクストン私設図書館での出来事」
「キャクストン私設図書館」のスピンオフ作品。
キャクストン私設図書館で起きたできごとのなかで、もっとも不可思議なできごとのひとつが描かれます。
主役は名探偵シャーロック・ホームズと作者のコナン・ドイル。
「キャクストン私設図書館」でのお気に入りの1文
「キャクストン私設図書館」でのお気に入りの1文は、こちら▼
本は形のあるものじゃない。言葉と概念を運ぶものなの。ひとりひとりの読者に、違う影響を及ぼすのよ。私たちの心の中に映像を焼き付けるの。そして、根をおろす。
引用元:ジョン・コナリー(2021年)『キャクストン私設図書館』東京創元社(247ページ)
これは、本好きなら誰しもグッとくる文章ではないでしょうか?
本が大好きな私も、この文章に共感とカッコよさを感じました。
おわりに
「キャクストン私設図書館」を紹介しました。
「虚ろな王」が気に入った方は、「失われたものたちの本」もおすすめです。
注意点としては、「失われたものたちの本」は、「キャクストン私設図書館」とは違い児童書の色が濃い、ということ。
印象がかなり違うので、試し読みしてから読むのがおすすめです。