この記事では、恩田陸さんの「理瀬シリーズ」の読む順番を、タイプ別に2パターン紹介します。
具体的には、次の2パターンです。
- 外伝をふくめて全作品を読みたい人向け
- 最低限の冊数ですませたい人向け
目次
「理瀬シリーズ」を全作品読むなら、この順番がおすすめ【外伝ふくむ】
「理瀬シリーズ」は2024年2月現在、長編4作・短編7作あります。短編はすべて外伝です。
「理瀬シリーズ」を外伝ふくめて全作品読むなら、以下の順で読むのがおすすめです。
- 麦の海に沈む果実
- 第四章 回転木馬(短編)
- 水晶の夜、翡翠の朝(短編)
- 麦の海に浮かぶ檻(短編)
- 丘をゆく船(短編)
- 月蝕(短編)
- 黒と茶の幻想
- 睡蓮(短編)
- 黄昏の百合の骨
- 絵のない絵本(短編)
- 薔薇のなかの蛇
1作ずつ、簡単にあらすじを紹介しますね。
① 麦の海に沈む果実
「麦の海に沈む果実」は、不思議な学園で起こるミステリー。
水野理瀬が転入した全寮制の学園は、なぜか「3月以外に転入した生徒は破滅をもたらす」と言われています。
理瀬が転入したのは2月最後の日。
転入後に次々と起こる、不思議な事件。原因は、理瀬が3月以外に転入したから?
② 第四章 回転木馬(短編)
「第四章 回転木馬」は、「三月は深き紅の淵を」に入っている作品です。
発売は「三月は深き紅の淵を」が先ですが、「麦の海に沈む果実」の前に読むのはおすすめしません。
なぜなら、どんな話かつかめず、面白さを感じにくいから。
「麦の海に沈む果実」のあとに読むと、物語の世界を思い出して、ジーンとくる作品になっています。
③ 水晶の夜、翡翠の朝(短編)
「水晶の夜、翡翠の朝」は、「夜明けの花園」に入っている作品。
「麦の海に沈む果実」の後日談になっています。
主人公は、ヨハン。
理瀬が去ったあと、学園で起こる奇妙な事件をヨハンが調べるというお話。
ラストの展開には、ニヤニヤしちゃいます。
くわしくは、【理瀬シリーズ】短編集「夜明けの花園」は心地よい危うさでいっぱい【感想】をどうぞ。
④ 麦の海に浮かぶ檻(短編)
「麦の海に浮かぶ檻」は、「夜明けの花園」に入っている作品です。
「麦の海に沈む果実」に登場したある人物のお話。
最後まで読むと、嬉しい驚きがまっています。
くわしくは、【理瀬シリーズ】短編集「夜明けの花園」は心地よい危うさでいっぱい【感想】をどうぞ。
⑤ 丘をゆく船(短編)
「丘をゆく船」は、「夜明けの花園」に入っている作品です。
「麦の海に沈む果実」に登場した、黎二と麗子のお話。
これまで語られなかった、2人の過去が語られます。ツラいです。
くわしくは、【理瀬シリーズ】短編集「夜明けの花園」は心地よい危うさでいっぱい【感想】をどうぞ。
⑥ 月蝕(短編)
「月蝕」は、「夜明けの花園」に入っている作品です。
「麦の海に沈む果実」に登場した、聖のお話。
学園を去って数年後、学園で出会った人たちとの過去を思い出す、というお話。
カンの鋭い聖の目線で描かれる学園や理瀬たちの姿が、新鮮で面白いです。
くわしくは、【理瀬シリーズ】短編集「夜明けの花園」は心地よい危うさでいっぱい【感想】をどうぞ。
⑦ 黒と茶の幻想
「黒と茶の幻想」は、「理瀬シリーズ」のなかでは異質の作品です。
なぜなら、パラレルワールドのお話になっているから。
「黒と茶の幻想」には、「麦の海に沈む果実」に登場した、「憂理(ゆうり)」という女性が登場します。
憂理が、「麦の海に沈む果実」の世界の話をする場面がありますが、それは架空の話。
しかも、憂理は回想シーンで登場するだけ。けれど、「麦の海に沈む果実」を思い出させるシーンが出てきます。
「黒と茶の幻想」自体はとても面白いので、読むのは超おすすめです。
感想は、「黒と茶の幻想」はアラサーにぶっ刺さるミステリーで紹介しています。
⑧ 睡蓮(短編)
「睡蓮」は、「夜明けの花園」に入っている作品です。
「麦の海に沈む果実」より、ずっと前のお話。理瀬が、子どものころ過ごした家が舞台になっています。
「黄昏の百合の骨」の前日談と言える作品なので、「黄昏の百合の骨」の前に読むのがおすすめです。
くわしくは、【理瀬シリーズ】短編集「夜明けの花園」は心地よい危うさでいっぱい【感想】をどうぞ。
⑨ 黄昏の百合の骨
「黄昏の百合の骨」は、理瀬が祖母の遺言に従い、祖母が暮らしていた館に住むところからはじまります。
なぜか「魔女の館」と呼ばれているその館に住む、2人の叔母。
彼女たちの目的は?祖母の死の真相は?
これらの謎を理瀬が追っていくダーク・ミステリーです。
感想は「黄昏の百合の骨」は、祖母の家で起こるダークミステリーで紹介しています。
⑩ 絵のない絵本(短編)
「絵のない絵本」は、「夜明けの花園」に入っている作品です。
「黄昏の百合の骨」の後日談。
理瀬がバカンスを過ごすなかで遭遇した出来事のお話。
完璧そうに見えて、まだ危ういところのある理瀬を楽しめます。
くわしくは、【理瀬シリーズ】短編集「夜明けの花園」は心地よい危うさでいっぱい【感想】をどうぞ。
⑪ 薔薇のなかの蛇
「薔薇のなかの蛇」の舞台はイギリス。
留学中の理瀬が、ある館で猟奇的な殺人事件に巻き込まれる、という話です。
グッと大人になった理瀬に会える作品。
より綺麗に、そしてよりミステリアスになっています。
続編がとっても気になるラストも必見です。
感想は【理瀬シリーズ】「薔薇のなかの蛇」は大人になった理瀬に会えるで紹介しています。
「理瀬シリーズ」は最低限この3冊だけ読めばOK!
「理瀬シリーズ」は、短編ふくめて11作品あります。ただ、最低限この3冊だけ読めばOKです。
- 麦の海に沈む果実
- 黄昏の百合の骨
- 薔薇のなかの蛇
上記以外の作品は、外伝やパラレルワールドのお話になっています。
本筋に直接かかわるのは、上記3作品だけ。最低限の冊数ですませたいなら、3冊だけで問題ありません。
まとめ
この記事では「理瀬シリーズ」の読む順番を、タイプ別に2パターン紹介しました。
まとめはこちら。
≪外伝をふくめて全作品を読みたい人向け≫
- 麦の海に沈む果実
- 第四章 回転木馬(短編)
- 水晶の夜、翡翠の朝(短編)
- 麦の海に浮かぶ檻(短編)
- 丘をゆく船(短編)
- 月蝕(短編)
- 黒と茶の幻想
- 睡蓮(短編)
- 黄昏の百合の骨
- 絵のない絵本(短編)
- 薔薇のなかの蛇
≪最低限の冊数ですませたい人向け≫
- 麦の海に沈む果実
- 黄昏の百合の骨
- 薔薇のなかの蛇
読む順番で迷ったら、とりあえず「麦の海に沈む果実」を読んでみてください。
もしドはまりしたら、外伝を挟んでみるといいですよ^^