宮部みゆき「三島屋」シリーズ第4作目「三鬼」。
今作では新たな出会いと別れが生まれたり、主人公・おちかが自ら行動をとるなど、新展開が盛りだくさん。
「三鬼」のあらすじと感想をネタバレなしで紹介するので、気になったら読んでみてくださいね。
「三鬼 三島屋変調百物語四之続」のあらすじ
あらすじ
今日も三島屋にはさまざまな話が持ち込まれる。
身分も年齢も、少女・弁当屋・元家老などバラバラ。
話の聞き役が増えたと思えば、別れもある。
おちかの行動にも変化が生まれたり、新たな展開をむかえるシリーズ4作目。
「三鬼 三島屋変調百物語四之続」の感想
「三鬼」に入っているお話は4つ。
そのなかで特に気に入ったのは、「第一話 迷いの旅籠」と「第四話 おくらさま」。
第一話 迷いの旅籠
「迷いの旅籠」の語り手は、13歳の少女。
村で起こったある出来事を戒めとして語るためにやってきました。
村で死者が何人もお化けとして現れた、というお話です。
これがね、人の心の危うさが描かれていて、いいんですよね。
お化けは出ますが、村で亡くなった人なので読んでいても怖くないです。
それより怖いのは人間よ。
心が壊れかかった者、もう壊れてしまった者、どちらの辛さもひしひしと感じる、いいお話でした。
第四話 おくらさま
「おくらさま」は、新たな展開がつまったお話。
おちかの従兄が療養のために帰ってきて、おちかの話の聞き役になったり、ある人物との別れもあったり、出会いと別れが生まれます。
さらに、これまでは話を聞いて終わりだったおちかが、ついに自ら行動を起こします。
「おくらさま」の不思議で妖しげなお話と、新たな一歩を踏み出すおちかから目が離せませんでした。