「話せない = 聞こえない」じゃない。ちゃんと聞こえてるんだよね
これが「スーパー・ノヴァ」を読んだ感想です。
「スーパー・ノヴァ」は、宇宙が大好きな自閉症の少女が、小さな1歩をふみ出す物語。
この記事では「スーパー・ノヴァ」のもう少し詳しいあらすじと、魅力を紹介します。
「スーパー・ノヴァ」のあらすじ
主人公は12歳の女の子、ノヴァ。
自閉症のノヴァは、姉・ブリジットとたくさんの里親のところを転々としています。
ある理由で姉・ブリジットと離れて暮らすことになったノヴァ。
新しい里親はとても親切ですが、学校はつらいことがたくさん。
それでも逃げ出さないのは、「スペースシャトルの打ち上げまでに帰ってくる」という姉の言葉を信じているから…
「スーパー・ノヴァ」の魅力
「宇宙が大好きなノヴァが、世界の見え方を教えてくれる」
これが「スーパー・ノヴァ」の魅力です。
ノヴァが教えてくれる世界は、大きく3つ。
- 自閉症のこと
- 宇宙のこと
- 色の見え方
自閉症でも読めるし聞こえる
自閉症であるノヴァの目線で語られる「スーパー・ノヴァ」。
ノヴァが受けるたくさんの誤解を、ノヴァと一緒に傷つき、怒りながら知れるのが魅力のひとつ。
たとえば、ノヴァは「言葉が理解できない」と周りからは思われています。
けれど、実際は表現できないだけ。言葉はちゃんと理解できているんです。
自閉症に限らず、人への接し方を考えさせられる本です。
宇宙が大好きなノヴァと宇宙について学べる
「スーパー・ノヴァ」には、ノヴァが大好きな宇宙のことがたくさん書かれています。
惑星のこと、宇宙飛行士のこと、ロケットのこと…
ちょっとでも宇宙に興味があるなら、「スーパー・ノヴァ」は楽しめる1冊です。
色の表現がとってもステキ
ノヴァは、姉・ブリジットに毎日手紙を書いています。
周りからはラクガキだと思われる字でも、ブリジットには読めます。
ある日の手紙で、ノヴァは周りの人の眼の色について、こう書いています。
アレックスの目はコーンフラワーブルー。赤ちゃんの毛布の青むらさき。
マロリーの目はフォレストグリーン。クリスマスツリーの緑。
ジョーニーの目はローシエナ。ふわふわウサギの茶色。引用元:ニコール・パンティルイーキス(2020年)『スーパー・ノヴァ』あすなろ書房(125ページ)
色の名前が豊富で、表現がとってもステキ。世界には、たくさんの色があるんだと気づかされた文章です。
色の名前が増えると、いつもの景色の見え方がガラッと変わるはず。
こう感じました。以下の本が、イラスト付きでよさそうです。
「スーパー・ノヴァ」をこれから読む人へ
「スーパー・ノヴァ」は悲しくてつらいけれど、心がじんわりとあたたかくなる物語です。
自閉症の女の子が主人公ですが、堅苦しい話ではありません。
ぜひ気軽に読んでみてください。
この記事を読んで、「スーパー・ノヴァ」を読みたいと思ってもらえたら嬉しいです。