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海外小説

少女が小さな1歩を力強くふみ出す物語「スーパー・ノヴァ」

2022年12月13日

super-nova

「話せない = 聞こえない」じゃない。ちゃんと聞こえてるんだよね

これが「スーパー・ノヴァ」を読んだ感想です。

「スーパー・ノヴァ」は、宇宙が大好きな自閉症の少女が、小さな1歩をふみ出す物語

この記事では「スーパー・ノヴァ」のもう少し詳しいあらすじと、魅力を紹介します。

「スーパー・ノヴァ」のあらすじ

主人公は12歳の女の子、ノヴァ。

自閉症のノヴァは、姉・ブリジットとたくさんの里親のところを転々としています。

ある理由で姉・ブリジットと離れて暮らすことになったノヴァ。

新しい里親はとても親切ですが、学校はつらいことがたくさん。

それでも逃げ出さないのは、「スペースシャトルの打ち上げまでに帰ってくる」という姉の言葉を信じているから…

「スーパー・ノヴァ」の魅力

「宇宙が大好きなノヴァが、世界の見え方を教えてくれる」

これが「スーパー・ノヴァ」の魅力です。

ノヴァが教えてくれる世界は、大きく3つ。

  • 自閉症のこと
  • 宇宙のこと
  • 色の見え方

自閉症でも読めるし聞こえる

自閉症であるノヴァの目線で語られる「スーパー・ノヴァ」。

ノヴァが受けるたくさんの誤解を、ノヴァと一緒に傷つき、怒りながら知れるのが魅力のひとつ。

たとえば、ノヴァは「言葉が理解できない」と周りからは思われています。

けれど、実際は表現できないだけ。言葉はちゃんと理解できているんです。

自閉症に限らず、人への接し方を考えさせられる本です。

宇宙が大好きなノヴァと宇宙について学べる

「スーパー・ノヴァ」には、ノヴァが大好きな宇宙のことがたくさん書かれています。

惑星のこと、宇宙飛行士のこと、ロケットのこと…

ちょっとでも宇宙に興味があるなら、「スーパー・ノヴァ」は楽しめる1冊です。

色の表現がとってもステキ

ノヴァは、姉・ブリジットに毎日手紙を書いています。

周りからはラクガキだと思われる字でも、ブリジットには読めます。

ある日の手紙で、ノヴァは周りの人の眼の色について、こう書いています。

アレックスの目はコーンフラワーブルー。赤ちゃんの毛布の青むらさき。
マロリーの目はフォレストグリーン。クリスマスツリーの緑。
ジョーニーの目はローシエナ。ふわふわウサギの茶色。

引用元:ニコール・パンティルイーキス(2020年)『スーパー・ノヴァ』あすなろ書房(125ページ)

色の名前が豊富で、表現がとってもステキ。世界には、たくさんの色があるんだと気づかされた文章です。

色の名前が増えると、いつもの景色の見え方がガラッと変わるはず。

色の名前を覚えて、息子にたくさんの色を伝えたいな

こう感じました。以下の本が、イラスト付きでよさそうです。

「スーパー・ノヴァ」をこれから読む人へ

「スーパー・ノヴァ」は悲しくてつらいけれど、心がじんわりとあたたかくなる物語です。

自閉症の女の子が主人公ですが、堅苦しい話ではありません。

ぜひ気軽に読んでみてください。

この記事を読んで、「スーパー・ノヴァ」を読みたいと思ってもらえたら嬉しいです。

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