ニーナ・ゲオルゲさんの「セーヌ川の書店主」は、人生が充実しているときに読むと、あまり楽しめないかもしれません。
けれど、やることが多すぎて毎日焦っているときに読むと、落ち着いた気持ちになる本です。
この記事では、「セーヌ川の書店主」の感想と魅力を「ネタバレなし」で紹介します。
- その日1日を過ごすだけで精一杯
- 周りに早く追いつきたくて焦ってる
- 時間に追われて常に疲れている
こんな人にピッタリの本なので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
「セーヌ川の書店主」について
タイトル | セーヌ川の書店主 |
作者 | ニーナ・ゲオルゲ |
訳者 | 遠山明子 |
出版社 | 集英社 |
ページ数 | 416ページ |
発売日 | 2018年7月26日 |
以下、「セーヌ川の書店主」のあらすじです。
50代の書店主ジャン・ペルデュ。
彼の書店はセーヌ川に浮かぶ船の中。
人々の悩みを見抜き、本を処方していた。
けれど、20年前に負った自分の心の傷は、今も癒せないまま…
ある日、古い手紙を見つけた彼は、心の傷と向き合う決意をする。
たまたま出会った若い男性作家とともに、船を動かしプロヴァンスに向かいはじめる。
「セーヌ川の書店主」の魅力
「セーヌ川の書店主」の魅力は以下の4つ。
- いろんな本が登場する
- 旅を通じていろんな景色を楽しめる
- 生き急いでいる自分に気づける
- 心に残る言葉にたくさん出会える
魅力① いろんな本が登場する
「セーヌ川の書店主」は、いろんな場面に本が登場する作品です。
- 書店主がお客さんに選ぶ本
- 会話のなかで登場する本
- 巻末の「文学処方箋」に登場する本
巻末の「文学処方箋」は、作中で主人公の書店主がお客さんに処方しているものを、付録にしたものです。
文学処方箋で紹介されている本は、全26冊。
読んだことのある本もあれば、全然知らない本もたくさん登場します。
ブックガイドとしてもオススメの1冊です。
魅力② 旅を通じていろんな景色を楽しめる
「セーヌ川の書店主」は、セーヌ川を地中海側に向かって、船で旅していく物語です。
旅するなかで出会う、たくさんの景色や個性豊かな人たち。
ふだんの生活で目にする景色とは全然違います。
なので、周りの景色をじっくり見る余裕がない人にピッタリです。
旅行している気分になれて、スッキリした気持ちになれますよ。
魅力③ 生き急いでいる自分に気づける
「セーヌ川の書店主」では、自然のなかで過ごす人がたくさん登場します。
自然のなかで生き、自分の心の声を聞く人たち。
スマホやSNSを使ったり、忙しくて心に余裕がない私たちとは全然違います。
「セーヌ川の書店主」を読むと、「今みたいに生き急いでいても、人生楽しめないな」と思うはず。
時間は有限ですが、生き急いでも「ただこなしているだけ」になりがち。充実度は低くなってしまいます。
静かな部屋で心の声を聞いてみよう
自然のなかで生きるのは現実的ではありませんが、自分の心の声を聞くことはできるはずです。
スマホもSNSもパソコンもテレビも、全部オフ。
静かな部屋でゆっくり呼吸しながら、心落ち着く本を読んでみてください。
- 自分が何を望んでいるのか
- 心はどれくらい疲れているか
こんなことが見えてくるようになってきます。
自分の心の状況がわかると、気持ちがラクになりますよ。
魅力④ 心に残る言葉にたくさん出会える
「セーヌ川の書店主」は、心に残る言葉がたくさん見つかる本です。
グッとくる言葉や、元気になれる言葉を探したい人にピッタリ。
参考までに、私が特に心に残った言葉を、下記でひとつ紹介します。
「セーヌ川の書店主」で心に残った言葉
以下、「セーヌ川の書店主」で、私が特に心に残った言葉です。
「不安には決して耳を傾けるな! 不安が高じると馬鹿になる」
引用元:ニーナ・ゲオルゲ(2018年)『セーヌ川の書店主』集英社(138ページ)
50代の書店主が、20代の青年作家に与える助言を考えたときの言葉です。
「不安になるのはよくない」とふわっと言われるより、100倍説得力がありますよね。
私は不安になることが多いので、不安になったときは上記の言葉を思い出そうと思いました。
自分の人生を「不安」に邪魔されたくないですもんね。
「セーヌ川の書店主」には、上記のようにパンチの効いた言葉もあれば、心にしみる言葉もあります。
「元気が欲しい」「励まされたい」というときに読むと、最低1つは心に刺さる言葉が見つかるはずです。
まとめ
「セーヌ川の書店主」は、今の自分を客観的に見つめ直せる本です。
気持ちに余裕がないときに、ぜひ読んでみてください。