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海外小説

【感想】「セーヌ川の書店主」は心に余裕がないときにピッタリ

2022年9月12日

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ニーナ・ゲオルゲさんの「セーヌ川の書店主」は、人生が充実しているときに読むと、あまり楽しめないかもしれません。

けれど、やることが多すぎて毎日焦っているときに読むと、落ち着いた気持ちになる本です。

この記事では、「セーヌ川の書店主」の感想と魅力を「ネタバレなし」で紹介します。

  • その日1日を過ごすだけで精一杯
  • 周りに早く追いつきたくて焦ってる
  • 時間に追われて常に疲れている

こんな人にピッタリの本なので、ぜひ最後までご覧ください。

「セーヌ川の書店主」について

タイトルセーヌ川の書店主
作者ニーナ・ゲオルゲ
訳者遠山明子
出版社集英社
ページ数416ページ
発売日2018年7月26日

以下、「セーヌ川の書店主」のあらすじです。

50代の書店主ジャン・ペルデュ。
彼の書店はセーヌ川に浮かぶ船の中。
人々の悩みを見抜き、本を処方していた。

けれど、20年前に負った自分の心の傷は、今も癒せないまま…

ある日、古い手紙を見つけた彼は、心の傷と向き合う決意をする。

たまたま出会った若い男性作家とともに、船を動かしプロヴァンスに向かいはじめる。

「セーヌ川の書店主」の魅力

「セーヌ川の書店主」の魅力は以下の4つ。

  • いろんな本が登場する
  • 旅を通じていろんな景色を楽しめる
  • 生き急いでいる自分に気づける
  • 心に残る言葉にたくさん出会える

魅力① いろんな本が登場する

「セーヌ川の書店主」は、いろんな場面に本が登場する作品です。

  • 書店主がお客さんに選ぶ本
  • 会話のなかで登場する本
  • 巻末の「文学処方箋」に登場する本

巻末の「文学処方箋」は、作中で主人公の書店主がお客さんに処方しているものを、付録にしたものです。

文学処方箋で紹介されている本は、全26冊。

読んだことのある本もあれば、全然知らない本もたくさん登場します。

ブックガイドとしてもオススメの1冊です。

魅力② 旅を通じていろんな景色を楽しめる

「セーヌ川の書店主」は、セーヌ川を地中海側に向かって、船で旅していく物語です。

旅するなかで出会う、たくさんの景色や個性豊かな人たち。

ふだんの生活で目にする景色とは全然違います。

なので、周りの景色をじっくり見る余裕がない人にピッタリです。

旅行している気分になれて、スッキリした気持ちになれますよ。

魅力③ 生き急いでいる自分に気づける

「セーヌ川の書店主」では、自然のなかで過ごす人がたくさん登場します。

自然のなかで生き、自分の心の声を聞く人たち。

スマホやSNSを使ったり、忙しくて心に余裕がない私たちとは全然違います。

「セーヌ川の書店主」を読むと、「今みたいに生き急いでいても、人生楽しめないな」と思うはず

時間は有限ですが、生き急いでも「ただこなしているだけ」になりがち。充実度は低くなってしまいます。

静かな部屋で心の声を聞いてみよう

自然のなかで生きるのは現実的ではありませんが、自分の心の声を聞くことはできるはずです。

スマホもSNSもパソコンもテレビも、全部オフ。

静かな部屋でゆっくり呼吸しながら、心落ち着く本を読んでみてください。

  • 自分が何を望んでいるのか
  • 心はどれくらい疲れているか

こんなことが見えてくるようになってきます。

自分の心の状況がわかると、気持ちがラクになりますよ。

魅力④ 心に残る言葉にたくさん出会える

「セーヌ川の書店主」は、心に残る言葉がたくさん見つかる本です。

グッとくる言葉や、元気になれる言葉を探したい人にピッタリ。

参考までに、私が特に心に残った言葉を、下記でひとつ紹介します。

「セーヌ川の書店主」で心に残った言葉

以下、「セーヌ川の書店主」で、私が特に心に残った言葉です。

「不安には決して耳を傾けるな! 不安が高じると馬鹿になる」

引用元:ニーナ・ゲオルゲ(2018年)『セーヌ川の書店主』集英社(138ページ)

50代の書店主が、20代の青年作家に与える助言を考えたときの言葉です。

「不安になるのはよくない」とふわっと言われるより、100倍説得力がありますよね。

私は不安になることが多いので、不安になったときは上記の言葉を思い出そうと思いました。

自分の人生を「不安」に邪魔されたくないですもんね。

「セーヌ川の書店主」には、上記のようにパンチの効いた言葉もあれば、心にしみる言葉もあります。

「元気が欲しい」「励まされたい」というときに読むと、最低1つは心に刺さる言葉が見つかるはずです。

まとめ

「セーヌ川の書店主」は、今の自分を客観的に見つめ直せる本です。

気持ちに余裕がないときに、ぜひ読んでみてください。

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