「窓辺の愛書家」は、派手な謎解きはありませんが、ドラマ感覚でテンポよく読めるミステリーです。
この記事では「窓辺の愛書家」の感想とオススメな人を紹介します。
「窓辺の愛書家」を読もうかどうか迷っている人は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
「窓辺の愛書家」について
タイトル | 窓辺の愛書家 |
作者 | エリー・グリフィス |
訳者 | 上條 ひろみ |
出版社 | 創元推理文庫 |
ページ数 | 439ページ |
発売日 | 2022年8月19日 |
以下、「窓辺の愛書家」のあらすじです。
多くの推理作家の執筆に協力していた、本好きの老婦人ペギーが死んだ。死因は心臓発作だが、介護士のナタルカは不審に思い、刑事ハービンダーに相談しつつ友人二人と真相を探りはじめる。しかしペギーの部屋を調べていると、銃を持った覆面の人物が侵入してきて、一冊の推理小説を奪って消えた。謎の人物は誰で、なぜそんな行動を?
引用元:エリー・グリフィス(2022年)『窓辺の愛書家』創元推理文庫
「窓辺の愛書家」の面白かったところ【3つ】
「窓辺の愛書家」の面白かったところは、以下の3つです。
- 複数の視点で進む
- ドラマのように場面がポンポン切り替わる
- 主要人物に共感できる
複数の視点で進む
「窓辺の愛書家」は、4人の視点で進んでいきます。
それぞれの視点で見えるものや感じることが変わるので、飽きずに楽しく読めました。
「ひとりの視点だけだと飽きちゃう」という人も最後まで飽きずに読めますよ。
ドラマのように場面がポンポン切り替わる
「窓辺の愛書家」の面白くてスゴイ点は、テンポがよすぎること。
事件や調査の展開が早く、とにかく話がどんどん進んでいきます。
場面もドラマのようにポンポン変わっていくので「最後まで持つのかな?」と疑問に感じたほど。
結局、最後までテンポは落ちませんでした。
ここまでテンポがいいミステリーはめずらしいので、サクサク読みたい人にはオススメです。
主要人物に共感できる
「窓辺の愛書家」の主要人物は、みんなクセがあり、人には言いにくい秘密持ち。
「普通」の人生を過ごしていない彼らを見ているうちに、どんどん応援したくなってきます。
特に共感したのは、刑事ハービンダー。
最初は「ちょっとクセが強いな…」と思っていたのに、読み進めるうちに印象は変化。
彼女の性格や人生を知るうちに、共感できる部分がたくさん出てきます。
最後は「絶対幸せになってほしい!」と願うまでになりました。
登場人物に共感できる本が好きな人にはオススメの本です。
「窓辺の愛書家」でマイナスに感じたところ【3つ】
「窓辺の愛書家」には面白い点もありますが、マイナスに感じた点もありました。
「窓辺の愛書家」でマイナスに感じたところは、以下の3つです。
- 登場人物が多い
- 本好きの老婦人の出番が少ない
- 思ったより本が登場しない
登場人物が多い
個人的に「窓辺の愛書家」のマイナスポイントは、登場人物の多さ。
話の展開が早いので、次から次へと登場人物が出てきます。
「あれ?この人誰だったっけ?」となることが何度もありました。
登場人物がたくさん出る小説が苦手な人は、「窓辺の愛書家」は楽しめないかもしれません。
本好きの老婦人の出番が少ない
あらすじや冒頭を読んだ時点では、本好きの老婦人ペギーがたくさん登場すると思っていました。
読んでみると、思ったより彼女の出番は少なかったです。
予想では、ペギーの人生や多くの推理作家との関係が暴かれると思っていたのですが…
面白かったですが、思っていた事件とは違っていたので、同じように予想している人は注意してください。
思ったより本が登場しない
あらすじによると、本好きの老婦人が亡くなり、謎の人物が本を奪った。
この時点で「ビブリア古書堂の事件手帖」のような展開を期待していると、裏切られちゃいます。
私も同じ展開を期待していて、あっさり裏切られました。
「窓辺の愛書家」はたくさんの本が登場する、というミステリーではありません。
本については、本好きの老婦人ペギーが協力したり、協力した本が何冊か登場するくらいです。
たくさんの本が登場するミステリーだと思って読むと、楽しめないかもしれません。
「窓辺の愛書家」はこんな人にオススメ
「窓辺の愛書家」はこんな人にオススメです。
- サクサク進むミステリーを読みたい
- 主要人物に共感できる話が好き
反対に、こんな人は「窓辺の愛書家」はあまりオススメできません。
- 登場人物が多い小説が苦手
- 派手な謎解きが好き
- 本がたくさん登場する話が好き
「窓辺の愛書家」の謎解きは、関係者を1ヶ所にまとめて行うわけではありません。
そのため、謎解きのシーンはとても静か。
派手に鮮やかに謎が解かれるミステリーが好きな人は、「窓辺の愛書家」はちょっと合わないかもしれません。
まとめ
この記事では「窓辺の愛書家」の感想とオススメの人を紹介しました。
「窓辺の愛書家」は登場人物が多いですが、場面がどんどん変わるので、ドラマ感覚で楽しめるミステリーです。
気になったら、ぜひ読んでみてください。