ケイト・モートンさんの「秘密」は、母が昔、人を殺してしまった理由を探るミステリーです。
登場人物は多いので、すこし読みにくいですが、すべての謎が解ける瞬間の驚きはとても大きいです。
この記事では、「秘密」のあらすじと面白かったところを紹介します。
「秘密」のあらすじ
「秘密」の主人公は、国民的女優・ローレル。
彼女は幼いころ、母親が男性をナイフで刺すところを目撃していました。彼は連続強盗犯であり、母親は正当防衛とされました。
ところが、母親の名前を呼んでいた男性。
彼と母親はどういう関係だったのか?
ずっと気になっていたが、母親に聞けずにいたローレル。
死が近づいた母親を見て、ローレルはついに長年の謎を追う決意をします。
母親はあの日、なぜ男性をナイフで刺したのか?
「秘密」の面白かったところ【2つ】
「秘密」の面白かったところは、以下の2つです。
- 結婚前の人生を、母親の視点で読める
- すべての謎が解ける瞬間の驚き
ひとつずつ紹介しますね。
① 結婚前の人生を、母親の視点で読める
「秘密」は、以下の2つの時代が交互に入れ替わりながら、物語が進んでいきます。
- 主人公が生きる”現在”
- 主人公の母親が若かったときの”過去”
長年の謎を解くべく、母親の過去を探る主人公。
ただ過去を探るだけだと、物語としての面白さはイマイチ。
けれど、つかんだ手がかりをきっかけに、母親の過去に場面が切り替わるのが、とても面白いんです。
- 結婚前の母はどんな人物だったのか?
- 母親はどんな人生を歩んできたのか?
これらを母親の視点で読めるので、よりリアリティが増します。
母親が望んでいたもの、得たもの、失ったもの。
主人公が思っている以上に、波乱万丈な人生を送ってきた母親。
母親の人生を、リアリティを持って読めるのが、「秘密」の面白かったところです。
② すべての謎が解ける瞬間の驚き
「秘密」は、母親の過去を探るミステリーです。
探れば探るほど、謎が深まる母親の人生。
なかでも最大の謎は、「なぜあの日、男性をナイフで刺したのか?」です。
この謎が明かされるのは、最後の最後。
すべての謎が解ける瞬間が、「秘密」の1番面白かったところ。
謎が解けるシーンでは、驚きで思わず動きが止まってしまいました。

謎が解けると、納得できる母親の行動。
ラストのエピソードも、とてもステキでした。
「秘密」は、現在と過去の視点で進むため、登場人物が多いです。
そのため少し読みにくいですが、ミステリーとしては、とても面白い作品です。
記憶をめぐるミステリーが好きな人は、きっと楽しめるはずです。