2021年の「このミステリーがすごい!海外部門」で大賞を獲得した、アンソニー・ホロヴィッツさんの「その裁きは死」。
「その裁きは死」は、「メインテーマは殺人」に続くシリーズ2作目です。
この記事では「その裁きは死」の感想とオススメな人を紹介します。
「その裁きは死」を読もうかどうか迷っている人は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
「その裁きは死」について
タイトル | その裁きは死 |
作者 | アンソニー・ホロヴィッツ |
訳者 | 山田 蘭 |
出版社 | 創元推理文庫 |
ページ数 | 465ページ |
発売日 | 2020年9月10日 |
以下、「その裁きは死」のあらすじです。
実直さが評判の弁護士が殺害された。裁判の相手方が口走った脅しに似た方法で。現場の壁にはペンキで乱暴に描かれた謎の数字”182”。被害者が殺される直前に残した奇妙な言葉。わたし、アンソニー・ホロヴィッツは、元刑事の探偵ホーソーンによって、奇妙な事件の捜査に引きずりこまれて―。
引用元:アンソニー・ホロヴィッツ(2020年)『その裁きは死』創元推理文庫
「その裁きは死」の感想
「その裁きは死」は、前作「メインテーマは殺人」より読みやすく面白かったです。
前作より読みやすかった理由は2つ。
- 登場する実在の人物・作品が減っている
- 主人公のクセが弱くなっている
面白い上に読みやすくなっている
「その裁きは死」は前作同様、事件そのものは期待を裏切らない面白さでした。
前作から変化していたのは「読みやすさ」。
「メインテーマは殺人」は、実在の人物や作品がたくさん登場したり、主人公のクセが強かったりで、かなり読みにくかったです。
それらが「その裁きは死」で、一気に減った印象でした。
正直「メインテーマは殺人」と同じ雰囲気なら、読むのをやめようかと思っていたので、嬉しかったです。
面白い上に読みやすくなったので、次回作も読もうと思いました。
「メインテーマは殺人」のネタバレもないので、前作を挫折した人は「その裁きは死」から読むのもアリです。
人前でラストを読むのは危険
「その裁きは死」のラストを読むとき、人前で読むのは危険です。
理由は「泣いてしまうかもしれない」から。
内容はネタバレになるので書けませんが、私は泣いてしまいました…。
ラスト50ページは、ひとりでじっくり読むのがオススメです。
「その裁きは死」はこんな人にオススメ
「その裁きは死」はこんな人にオススメです。
- 王道の犯人当てミステリーが好き
- 筋の通った推理を読みたい
- 「メインテーマは殺人」は挫折してしまった
「その裁きは死」は前作同様、王道の犯人当てミステリー
「その裁きは死」は前作「メインテーマは殺人」と同じく、王道の犯人当てミステリーになっています。
事件そのものは前作と同じくらい面白い上に、前作よりかなり読みやすくなっているのがポイント。
「シリーズ2作目って、つまらない本が多いから読んでない」という人の期待を裏切らない内容になっています。
「その裁きは死」は推理に筋が通っている
前作「メインテーマは殺人」と同じように、「その裁きは死」には事件を解くカギは読者にすべて示されています。
派手などんでん返しはないですが、ホーソーンの推理にはしっかりと筋が通っています。
急に知らない情報が出てきて「そんなのズルい!」となることがありません。
しっかり筋の通ったミステリーを読みたい人には、「その裁きは死」はオススメです。
「その裁きは死」は前作よりはるかに読みやすい
「その裁きは死」は、前作「メインテーマは殺人」を挫折してしまった人にこそオススメです。
海外ミステリー自体に挫折してしまった人はむずかしいですが、前作よりかなり読みやすいです。
実在の人物や作品もほぼ登場しないし、主人公のクセも弱くなっています。
「海外ミステリーは好きだけど、『メインテーマは殺人』は挫折しちゃった」
という人は、「その裁きは死」なら挫折せずに読めるはずです。
まとめ
この記事では「その裁きは死」の感想とオススメの人を紹介しました。
「その裁きは死」は、前作「メインテーマは殺人」からの期待を裏切らない作品になっています。
「メインテーマは殺人」を挫折した人も、前作より読みやすくなっているので、ぜひ読んでみてください。