これがデビュー作ですか…。
ボリュームすごすぎるし、ラストのおどろきもすごい。
上下巻どちらも500ページ越えの、超長いミステリーだけど、一気読みしちゃいました。
この記事では、「冷たい校舎の時は止まる」のあらすじと感想をネタバレなしで紹介します。
気になったら読んでみてくださいね。
「冷たい校舎の時は止まる」のあらすじ
あらすじ
学園祭で自殺したのは、いったい誰だった?
雪が降った日に校舎に閉じ込められた8人の高校生。
閉じ込めたのは、どうやら自殺した人物らしい。
その人物の顔と名前を思い出そうとするが、なぜか誰も思い出せない。
自殺したのは、いったい誰?
2025年9月30日に、聞く読書「Audible」の配信が開始されます。
「気になるけど、ちょっと長いな…」って方は、通勤や家事のときにサクッと聴いてみるのもアリ。
「冷たい校舎の時は止まる」の感想
がっつりミステリーかと思いきや、それだけじゃない。
校舎に閉じ込められた8人の高校生の心理描写がとても丁寧。
ミステリー面は、予想できる部分もあって「ふ、今日の私は冴えてる」って思ってたけど、浅はかでした。
その上をいく大きな仕掛けが待っていました。
さすがにこれは予想できない。
わかった後の「え。ってことは、あのときのあれは!?うわぁぁぁ!そういうことかーーーーー!!!!!」といった、ミステリーの醍醐味を存分に味わえました。
あとは、心理描写。
彼らが抱えるそれぞれの悩みの描写が、細かくて深いので、ちょいちょいミステリーだってことを忘れちゃいました。
メンタルが弱い私の気持ちを代弁というか、言葉にできていなかった気持ちを言語化してくれてます。
ミステリーだし、ちょい怖いところもあるけど、不安な心のケアにもなるので、落ち込んでいるときにもおすすめ。
参考までに、好きな文章をひとつだけ紹介します▼
深月は傷つきやすい。
人にかけられた言葉を裏の裏まで読んで気を使い、溜め込んでそして泣いてしまう。投げつけられた小石を自分から鉛弾に変えて、しかもわざわざ心臓に突き刺してしまうような傾向がある。自分自身のことを、そうやって限界まで責める。(辻村 深月「冷たい校舎の時は止まる(上)」講談社文庫 P.133)
これだけ自分の気持ちを言語化してくれると、めちゃめちゃホッとします。
自分だけじゃなかった、わかってくれる人がいたって思えるから。
ミステリーとしても、精神安定剤としてもおすすめの作品です。
ぜひ読んでみてくださいね。